これまでの研究で、野菜・根菜類・海藻・果物(食物繊維)の不足、 肉の過剰摂取、加工肉(ソーセージ・ハム・ベーコンなど)の摂取が大腸がんの原因になることが明らかとなりました。
また、がん治療後の食生活の改善は生存率の上昇やがんの再発予防に有効であるという報告も多くされています。 本ページでは、がん予防のための5つのポイントをご紹介します。
1.野菜・根菜類・海藻・果物(食物繊維)をしっかり食べる
食物繊維は野菜・根菜類(れんこん・ごぼう)・きのこ・海藻・果物に多く含まれます。食物繊維を十分とるためには、野菜や果物などをしっかり摂ることが重要です。
術後の場合、食物繊維の多いものは控えた方がよいのかと気にされる方もおられますが、再発予防のためにも食べ方・調理方法を工夫して積極的に摂りましょう。
ここがポイント
- よく噛んで食べましょう。
- 生野菜だけでなく、火を通したお浸しや煮物にすることでかさを減らして食べやすくなります。
- れんこん・ごぼう・きのこ・海藻など硬いものは細かく刻む、軟らかく煮るなど工夫しましょう。
- 手軽に摂れる果物も食物繊維を多く含むので、朝食におすすめです。
1日に必要な野菜の量
350g
小鉢に盛り分けると5〜6皿分が目安
急激な血糖上昇に注意
- ケーキや菓子パン・煎餅などの糖質を多く含む加工食品は食物繊維をほとんど含まず、短時間で急激な血糖の上昇が起こるため摂り過ぎないようにしましょう。
- 血糖が上昇すると血液中のインスリンも急激に上昇し、インスリンが多い状態が続くとがんの発生率及び治療後の再発率が高くなることが報告されています。
- 果物は果糖を多く含むため、時間と量を決めて食べましょう。
2.肉の過剰な摂取をやめる
肉を食べることは悪いことではありませんが、赤肉(牛肉・豚肉・羊肉)を食べる量が増えるほど、がんの発生及び治療後の再発や死亡率の上昇につながることが分かっています。
タンパク質は赤肉を控え、大豆製品を中心に摂りましょう。大豆以外の豆類からも植物性タンパク質が摂れます。足りない分は魚・卵・鶏肉で補うとよいです。
なお、高齢の方は特にタンパク質が不足しやすいため注意しましょう。
1人分の赤肉の目安量(料理別)
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| 150g | 150〜200g | 200g | 200g | 150g | 80g |
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赤肉の摂取許容量
500g/週まで
手のひらにのる程度が100gの目安
1人分のタンパク質の目安量
ちょい足しのすすめ
しらすぼし・きな粉・ピザ用チーズ(各大さじ1杯・約2g)もタンパク質の補充に役立ちます。
3.加工肉は摂取しない
WHO(世界保健機関)の見解では加工肉を「人に対して発がん性がある」と認定しており、ソーセージ・ハム・ベーコン等の加工肉は、食べる量が増えることでがんの発生率や治療後の再発率・死亡率が上がると言われています。
加工肉を
1日50g摂取
するとがんの発生率が約1割増加するという報告があります。極力食べないようにしましょう。
いろいろなものを組み合わせてタンパク質を摂りましょう(1人分のタンパク質の目安量を参照)。
4.適正体重を維持する
男女ともにBMI 25.0以上ではがんの発生及び治療後の再発率が上昇します。適正体重の維持を心がけましょう。
| BMI計算式 | 適正範囲 | 適正体重の目安 |
|---|---|---|
| 体重(kg) ÷ 身長(m)² | 18.5〜24.9 | 身長(m)² × 22.0 |
5.適度な運動を行う
運動はがんの予防だけでなく、治療後の再発率にも影響があることが分かっています。運動習慣をつけることで高い予防効果が期待できます。
中等度の運動
週150以上
早歩き・水中歩行・軽いサイクリングなど、会話が無理なくできる程度
高強度の運動
週75以上
ジョギング・水泳・エアロビクスなど、ランニング程度の強度
例.実際の食事への取り入れ方
日々の食事でどのように改善できるか、具体的な例で見てみましょう。
ウィンナーパンとジュース(野菜ジュース含む)
改善のポイント
- ライ麦パン
食パンを1/2に減らす - 牛乳やヨーグルトを追加する
- 野菜や果物に置き換える
ご飯のみ
改善のポイント
- ご飯を減らして、野菜や大豆製品を取り入れる
ラーメンとチャーハン
改善のポイント
- 小ご飯と野菜炒め
- 野菜炒めに厚揚げやエビを入れて不足するタンパク質は追加の1品(冷奴)で補う
牛丼大盛
改善のポイント
- 小ご飯と焼き魚
- サラダやみそ汁のついた定食を選ぶ
ハンバーグ
改善のポイント
- 豆腐を使ったハンバーグにする
- ご飯を減らして、野菜のおかずを増やす
大腸がんは「検診」で早期発見できます
食事・生活習慣の改善とあわせて、定期的ながん検診が大腸がんの早期発見・予防に有効です。
耳原総合病院では、検診で異常が見つかった場合もそのまま精密検査・治療へ進める体制を整えています。
