総合診療センターの成り立ちと現在地について
当院の総合診療センターは病棟・ER・外来の3つの部門の運営を行っています。今回は総合診療センターの成り立ちと現在地を紹介します。
病棟部門は、1998年に研修医教育を目的として総合病棟を運営するために内科各科からスタッフを集めて総合診療科を設立したことが始まりです。当時からコモンな疾患と診断に難渋する病態を幅広く診療しながら臨床研修医や後期研修医・専攻医の教育を担っています。2024年度に担当した入院患者数はのべ757人でした。
ER部門は、2000年代初期に福井大学救急部(当時)に学びに行った医師たちが中心となってER型救急として立ち上げました。「断らない救急」の取り組み、新病院移転、COVIDー19パンデミックを経て、現在では堺市で3番目に救急車を受け入れる病院となりました。
2015年新病院移転に合わせて病院の屋台骨となる総合部門をより発展させるために総合診療センターを設立し、病棟部門とER部門に加えて外来部門として総合診療センター外来を開設しました。こちらはどの専門科に紹介すればいいか分かりにくい患者さんや、不明熱や体重減少といった診断に難渋する患者さんを幅広くご紹介いただいています。その中でも紹介の多いリウマチ・膠原病については、今年7月から月1回ではありますがリウマチ外来を開設しました。
最近「19番目のカルテ」という総合診療医を主人公にしたドラマが放映されていましたが、地域の高齢化が進み医療が複雑化する中で総合的に診療を行うことができる医師の必要性はますます高まっています。総合診療センターはそのような地域のニーズに応えながら、そのような志を持った医師を育てていけるように取り組んでいきます。
救急総合診療科部長 / 副病院長 大矢 亮