診療報酬改定
6月から診療報酬(医療機関に支払われる医療費のしくみ)が改定されます。患者さんが医療機関の窓口で支払う金額が一部変更されます。
この機会に、どのような目的があるのかを知っていただき、医療費について一緒に考えてみます。
外来を受診した場合
再診料(再受診した時の基本の医療費)は750円から760円へ10円引き上げられます。これに加え、物価高騰分や医療従事者の賃金改善を目的とした金額が加算されます(物価対応料・ベースアップ評価料)。そのため、1回当りおよそ70円程度増える見込みです。実際に窓口で支払う金額は自己負担割合によって異なりますが、自己負担3割の方ではおよそ10~30円程度になります。なお、医療機関ごとに算定している加算が異なるため実際の窓口負担額は多少の違いがあります。
入院の場合
急性期病床に入院した場合(自己負担3割の方、出来高入院料の場合)は、1日当りの窓口負担は約726円増え、約5,790円となる見込みです(耳原総合病院のような急性期病院では包括入院料が採用されているため、評価係数という金額が加算されます)。
これには、これまでの物価高騰への対応や、職員の賃金引き上げを進めてきた医療機関を支える財源が含まれています。国会に「医療機関をつぶさないで!」と訴える署名を届けるなどの医療現場を守る運動が実を結んだ結果と言えます。
また、6月からは今後の賃金改善を目的としたベースアップ評価料が新たに加わります(この財源はすべて職員の給与に充てられます)。
さらに、入院時の食事代も1食当り40円引き上げられ、550円となります(負担区分によって異なります)。
医療費について考える
日本では国民皆保険制度により、誰もが必要な医療を受けることができ、自己負担割合にも上限があります。また高額療養費制度によって、医療費が高額になった場合でも一定以上の負担が軽減される仕組みが整っています。
いま、高齢者自己負担割合一律3割への見直しや、OTC類似薬(成分が同じ市販薬が存在している処方医薬品)の保険外負担金の徴収など、患者負担を拡大する政策が議論されています。「現役世代の保険料負担を減らす」ためとけん伝されていますが、本質は国の責任である社会保障の枠をむやみに挟めることが目的と言えるのではないでしょうか。
私たちは、安心して必要な医療が受けられるよう、社会保障の充実が大切だと考えています。
耳原総合病院 事務長 川畑 望
こちらの記事は、社会医療法人同仁会が発行している「同仁会報 第164号」に掲載しております。
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