無差別平等の急性期事業 〜地域に必要とされる医療を目指して〜
耳原総合病院では、新たに3階建ての建物を増築(2028年春完成予定)し、あわせて現建物内の一部改修(2026年秋終了予定)を計画しています。 手術・薬物療法と並ぶがん三大治療のひとつである放射線治療の導入(図1)、がんの早期発見やポリープ切除を行う内視鏡室の拡張、心血管疾患を治療する心臓カテーテル室の増室と高度化を通じて、地域の方により質の高い医療を提供していきます。
私たちが大切にしているのは、複数の疾患をお持ちの方や、経済的・社会的な理由で医療や介護を受けることが難しい方に対して、医師をはじめとする医療チームが、その方に最もふさわしいケアや支援を行い、健康と生活を守る医療を実践することです。今回の新たな計画も、この思いを土台として進めています。 では、なぜこのような計画を立てるに至ったのか。今回は、この事業を取り巻く外部環境について紹介します。
少子高齢化と国の政策から見る 地域医療の現状と課題
国の医療政策(新たな地域医療構想)では、急性期病院の機能を集約し、役割を分担させる方向が進められています。補助金で誘導する病床削減の動きも見られますが、一方で地域では高齢化が進行し、命に関わる疾患を確実に治療できる病院づくりが求められています。堺市では、がんによる死亡が全体の26%で第1位、続いて心疾患が第2位となっています(図2)。また、堺市の高齢者人口は、2025年に団塊の世代が75歳以上となり、75歳以上人口は2027年にピークを迎えた後も、85歳以上の人口増加は続くと推計されています。さらに、耳原総合病院の所在する圏域では65歳以上のひとり暮らし高齢者も多く(38.3%)、地域の支え合いとともに、医療・介護の連携体制がますます重要になっています。要介護度の高い高齢者や、医療と介護の双方の支援を必要とする高齢者を支えることが今後の大きな課題です。とくに、高齢化率が32.1%と高い圏域にある耳原総合病院は、今後も地域にとって欠かすことのできない病院です。
「地域の安心」を次世代へつなぐために
今回の事業は、単なる施設の拡張ではなく、これからの地域医療を見すえた「地域の安心づくり」です。高齢化が進んでも、誰もが必要な時に必要な医療を受けられる地域を守るために、私たちは一歩を踏み出します。
耳原総合病院 事務長 川畑望
こちらの記事は、社会医療法人同仁会が発行している「同仁会報 第155号」に掲載しております。
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