
2025年5月 薬剤科 学習会のようす


退院した後に正しく薬を飲んでもらうのって意外と難しいんですよね
当院 薬剤科では月末に学習会を行っています。
今回は教訓めいた症例の共有を行いました。
検査入院で入院された患者さん。
入院中にかかりつけ医院でもらっている薬の一部が中止となりました。
さらに、当院から新たに薬が開始となって退院。
1週間後、治療のために入院し、あらためてお薬について聞き取りをすると
当院からの新しい薬のみを継続し、かかりつけ医院での薬を全て中止していることが判明しました。
説明の時は「この1種類の薬が中止です」と説明するも、
患者さんの理解は「全て中止する」となっていたようで、理解力が保たれていると思っていた患者さんの場合でも、伝えたことが伝わっていないことがあることが分かりました。
こちらが伝えたから、相手に伝わっているとは限りませんよね。
これは医療者と患者さんの間だけでなく、医療者同士でも起こりうることで、コミュニケーションのエラーは医療安全の分野では常にホットな話題となっています。
「伝える」と「伝わる」1文字違いですが、意味は大きく異なりますね。
「伝える」は自分視点の一方通行
「伝わる」は相手視点も加わった双方向です。
何を言ったかではなく、どう伝わったかの視点でコミュニケーションを心掛けたいですね。患者さんにはより丁寧な指導をしていきたいと思った症例でした。