医師として見られてる自覚
専攻医
- M.Sさん
- 2022年新卒入職
医師を目指したきっかけを教えてください
親が医療関係だったこともあり、話を昔からよく医療について聞いていました。
人の生死に関わる職業は良い仕事だなと小さい頃から思っており、自然と目指すようになりました。
同仁会に就職した理由を教えてください
僕は消化器内科を志望しているのですが、耳原総合病院は救急と消化器内科が強いという事でしたので、医学部6年生の春頃の1か月間の外部実習の際に、耳原総合病院で実習させてもらいました。そこで先輩の姿や教育体制を見て、研修医に対して手厚い環境が揃っているなと思いました。
実際に働いてみてどうですか
耳原総合病院は「ややハイパー」と分類されるかなと思います。朝早くから夜遅くまで働くこともあり、それが結構しんどい時もあったのですが、後期研修の医師や指導医の先生はどれだけ忙しくても夜に一緒に残ってくれるなど、支えになって頑張ることが出来ました。
また、他の病院で働いている同じ医学部だった人からも、「耳原総合病院は市中病院にしては教育にかける時間が多いと思う」と聞いています。
業務内容を教えてください
耳原総合病院は主治医制です。研修医であっても主治医という事で、看護師さんから電話が掛かってきます。ある程度は自分でどうしていくのかを考えないといけなかったり、ご家族との電話対応であったり…。患者さんについて自分が一番把握しておかないといけないという責任感が求められます。
最初の方は主治医と言っても、見学のような形で入ることもあります。ですが、徐々に任せてもらえる範囲も増えてきて、今ではERで相談なしで治療もすることもできるようになるなど、自分の成長度合いを実感することの出来るいいシステムだと思います。
困った事や、大変だったことは何ですか
どの先生も親切で、質問すればたいていの先生は優しく対応してくれているので特に困った事はないのですが、患者さんのご家族の中には、病状を理解されていない方や医療知識がないために無理難題の様なことを言われる方もいらっしゃり、上手く伝えていく難しさを感じています。
また、知識については普段は上級医に聞けば何とかなるのですが、患者さんやご家族と直接会話をする際には、「その場で」投げかけられる様々な質問に「その場で」対応しなければならないことが大変でした。
特にERなど、ゆっくりお話しできないような状況では、上手く話を持っていくことができず、上級医を呼んで対応してもらう事もあります。
働く上で大切にしている事を教えてください
「自分がどこまでできるのか」を過大評価しないことです。
医師という仕事は侵襲的な治療や投薬など、一歩間違うと命に係わります。自分の実力を客観視しておかなければ患者さんの不利益や医療事故の原因にもなり得ます。
ですので、困ったらすぐに相談すること、普段から上級医と話しておくなど相談できるようになっておくことも大切です。
また、医師は様々な職業の人から、例え研修医であっても「先生」と呼ばれたり、丁寧に話しかけていただいたりしますが、これに関して「医者として見られている自覚」を持つように気をつけています。
自信なさげに話していると、上級医の先生から「もっと医師として自信を持たないと患者さんは『この先生大丈夫かな』と不安になってしまう。周りで働いているスタッフには『この先生に任せていいのか?』と思われてしまう。患者さんや他のスタッフの前ではしっかり自信をもってやりなさい。分からないことがあれば後で上級医に聞きに来たらいいから。」と立ち振る舞いについて注意されたことがありました。
研修センターについて教えてください
悩み事や相談が共有できたり、医局ではあまり大きな声で話せない様なぶっちゃけた話もできます(笑)。
とはいえ、研修センターにずっと閉じこもっている訳ではないですし、すぐ近くでカルテを見ることも出来ます。良い環境だと思います。
医師として働いていて嬉しかったことは何ですか
数か月前にたまたま実家に帰った際に、僕の母親が「顔がピリピリする」と皮疹が出ているのを診ました。母は特に気にしていなかった様で、もう3日間ぐらい放置している状態だったのですが、帯状疱疹の様な感じでした。
「それ帯状疱疹やから皮膚科行った方がいいで」と受診を勧めてみると、やはり本当に帯状疱疹でした。すぐに治療し、後遺症も残りませんでしたが、たまたま僕が帰省したタイミングで早めに発見できて本当に良かったなと思いました。
医師になってから、身近にいる大切な人から相談を受けることも多くなり、職場での仕事だけではなく、身近な人の役に立てるという面でもこの仕事についてよかったなと思います。
耳原らしい、民医連らしいと思ったことを教えてください
ERには様々な方が来院されます。生活保護の方がいらっしゃることも多いのですが、他の病院では対応があまり良くなかったという声を聞くこともあります。そのような中でも、耳原総合病院は生活保護の方を含むすべての患者さんに対して分け隔てなく、全員同じ様に治療を行っており、民医連っぽいなと思います。
また、小児科志望の同期は、子ども食堂や塾に通えない子どもへの学習指導など、地域活動(健康友の会の活動の一環)に参加しており、地域の方々と接する機会も持っています。
学習会や研修、育成制度について教えてください
研修医だけて行う勉強会として「救急シェアカンファレンス」があります。ERで悩んだ症例や勉強になった症例についての検討会のような感じです。3か月ごとに自分の順番がまわってくるのですが、スライドを作成して発表するというのは学会発表の簡単な形式であり、練習になります。
また、論文発表などは「ランチョンセミナー」で聞くことができるので新しい知識も入ってきます。
さらに、「GP+1」という学会発表レベルのセミナーもあり、段階を踏んで勉強することができます。
この様な学習会は毎週開催されているので、インプットとアウトプットの両方の時間が確保できます。
やりがいについて教えてください
治療が終わり、退院時に患者さんやご家族と会話を交わす際に感謝の言葉をいただくことや、深く関わるほど患者さんから信頼され、何でも話してくれるようになることがやりがいにつながります。
また、最初は病気のために体調も悪く、体力も無かった方が、退院時には笑顔で話してくれる姿を見ると、嬉しく感じます。
求職者・学生に向けてひと言お願いします
先生同士で仲が悪い方とかはいないですし、そんなに変わった先生もいませんし、同期にも変わった人が入ってくることはなく、働く上で人間関係のストレスはかなり少なくて医療に集中できる環境です。
楽しい研修生活になるかなと思います。