プライベートが充実してこその仕事
臨床検査技師
- N.Rさん
- 1991年入職 副技師長
検査技師になったきっかけを教えてください
高校3年生の頃に病院で働きたいと思い、自分の現状から進める進路を探しました。
その頃はまだ「技師は男性」というイメージがあったのですが、女性も働ける仕事として検査技師を目指しました。
業務内容を教えてください
検査科は生理機能検査と検体検査の2部門に分かれており、私が従事しているのは生理機能検査で、心電図や心エコーをしています。検査技師は裏方の仕事というイメージが強いかもしれないですが、検体を扱うのは検体検査の仕事で、生理機能検査では患者さんを呼び込んで心電図を撮ったり脳波検査したり、それを患者さんに説明したりと患者対応が多いです。
生理機能検査と検体検査のどちらに配属されるかは分からないですが、新人は当直業務なども含めて一通りの仕事が出来るようになってもらいます。「希望の部署じゃなかったので辞めます」とならない様に、希望の部署を聞きながら、主任や技師長などその職員の先輩にあたる人が相談に乗ってモチベーションを上げるようにしています。
ただ、生理機能検査にいる職員は生理機能検査が好きだという人がほとんどですね。
職場について教えてください
検査科全体に言えるのは和気あいあいとした雰囲気だということです。もちろん上司と部下という関係はありますが、相手の性格に寄り添った注意をするようにしているので、なにもかもを頭ごなしに叱られることはありません。「怒られたから、怖いから、何も言えない」というような状況を作らないために「文句と意見は違うよ」「意見は意見として聞くから、あなたの考えを伝えてね」という指導をしています。技師長をはじめ、主任など検査室のみんなが広い心で耳を傾けることが出来ています。
また、助け合いもできる職場です。誰かが突発で休んでも、「私やります」と言ってくれる人が居ます。
大切にしていることはなんですか
副技師長という立場になってからは、「プライベートが充実してこそ、仕事もきっちりやっていける」と思うようになりました。
精神的につらい時や親の介護など困難な状況にあるときは、言いたくなければ言わなくてもいいのですが、言ってくれればサポートできるかもしれません。例えば、1時間早く帰れるようにするとか、「最近大丈夫?」と声を掛けることが出来ます。その職員がメリハリをつけて仕事に励めるように考えてあげたいと思っています。
また、休めない環境で働くのと休める環境で働くのでは、心の余裕に違いがあると思います。昔の人から見たら甘いと思われるかもしれないですが、時代は変わっています。
誰か1人だけが突出して「休みたい」とわがままを言うわけでもなく、誰かが休めば「私が行きます」と出勤してくれる職員もいる今の検査科が大切です。
同仁会に入職してよかったことはなんですか
私は子どもが3人いるのですが、産休育休もしっかり整備されていますし、子供が熱を出した時には皆嫌な顔をせず「帰り~」という様な感じで配慮や融通をつけてもらう事がありました。今思えば、耳原だからここまでやってこれたのかなと思います。
また、育休後の復帰もしやすかったです。子どもが生まれるとどの家庭もそうですが自分の時間や勉強する時間が無くなります。ですが、職場では特に厳しく言われることもなく、逆に「子どもが居るから…」という様な目で見られることもなく、それまでと変わりなく普通に仕事ができましたし、残業などは子どもが小学校に入るまでは免除してもらえました。
耳原に就職してよかったと思う、これは本心です。
同仁会らしい、耳原らしい、民医連らしいと思ったことを教えてください
医療・命は平等であること、患者さんとの対話を大切にしていること、無料低額診療事業を一生懸命にやっていることが思い浮かびますが、その中でも、地域に密着し患者さんの親身になることは素晴らしいと思います。
例えば、ずっと通っていた患者さんが急に来なくなったり連絡が取れないとなったら、師長さんや医師が患者宅へ訪問する等、そこまでするのかと初めは思っていましたが、私も熱中症調査で地域の患者宅を訪問した際に、たまたま行った訪問先が「耳原鳳クリニックの大ファンや。ずっとお世話になってる、本当にいい病院や」という家庭だったのが心に残っており、他の病院とは全く違うと実感しました。
やりがいについて教えてください
患者さんに必要な検査として医師や看護師から信頼されていると感じる時や、患者さんから「検査してもらって病気が見つかった」「いつも優しくしてもらえるからここで検査してよかった」と言ってもらえる時がやりがいに繋がります。
また、スタッフに「ここに就職してよかった」と言ってもらえる時も嬉しいです。「もう辞めません!」と言ってくれている職員もいます。
働いているとたまにある暇な日には、売店に行ってお菓子を買ってお茶をする日もあります。この様に本当に些細な事だと思いますが、職場の雰囲気が良ければしんどいことがあっても頑張れるのではないかなと思っています。
研修・育成制度について教えてください
個人で外部研修に行く場合、平日の勤務日でも「大丈夫だから、行っておいで」と早めに送り出す等のサポートを通して本人の勉強しようという意欲を後押しできます。
また、院内では一人ひとりに先輩がついてレクチャーを行うことで、本人の自信と客観的な習熟度を確認し、周りの意見を聞きながら成長することが出来ます。
学生・求職者に向けて一言お願いします
言い方ひとつで状況は変わります。「これなんですか」という質問に対して「知らん」と言うのと「うーん、ごめんね、ちょっと分からないわ」と言うのとでは周りの反応は一変します。特に生理機能検査では患者さんや医師・看護師と話す機会が多いので、伝え方を工夫しましょう。
検査科について、今いるスタッフからは働きやすい職場だと聞きます。和気あいあいとしていて先輩後輩のいざこざもなく、皆で意見を出し合って皆で乗り越える職場です。新人は意見できないなどという事はなく、新しい目線ならではの気づきを伝えてください。一緒に耳原で働きましょう。