第6回
「ACP1」
ACPと言ういわゆるアチャラ語の言葉は嫌いやーなどという声はよく聞きます。 ACP=advanced care plan 日本語に訳すると、「終末期における人生の過ごし方」ということでしょうか?多くの方は、最後は死ぬということはわかっていても、日常生活で深く死ぬこと=人生の最終局面 というのは、あまり想像(意識)していないのではないでしょうか?
我々のような訪問診療に携わる者は、その対象者はほぼすべて高齢者の方で、そう遠くない将来、人生の最終局面を迎えられる方ばかりでです。明確にこのような最期を迎えたいと考えておられる人もいないわけでありませんが、多くの方は、日々の変化をあまり意識するようなことはなく、ある日、堰を切ったように出来ていたことが一つ、二つと出来なくなっていきます。あれよ、あれよという間に最終局面に至るケースもあります。相談する相手がいない場合は、それほど複雑ではなく、本人へ全てお話をしてどうするか?をできるだけ早い段階で、一緒に考えていく事はすんなりできることが多いです。一方、家族がおられる場合、多くは本人の思う通りにしてあげてほしいということになるのですが、配偶者ではなくお身内が子供さんだけという場合は、その結果は本当にケースバイケースに分かれることになります。まず、連絡が取りにくいケースがあります。ようやく連絡が取れても、このようなケースは、今までそれほど患者さんの病気や生活に関わっていない場合が多く、これまでの経過や生活の歴史まで説明していく必要があります。
出来るだけ長生きしてほしいと願う子供さんが全てです。その中で、本人の死生観について確認できている場合は、混乱しませんが、そうでない場合はいろいろなケースが出てきます。