第4回
「訪問診療における看護師の役割」
看護師不足が叫ばれて久しい。一時期は3K(きつい、きたない、危険)の最たる職業などと呼ばれ敬遠されていた職業でもあったし、少子高齢化で、なり手そのものが減ってきています。看護師不足の地域では(大阪市内でもあるようですが)訪問診療は医師と事務のみで訪問しているところがあると聞きます。たしかに医師が訪問するとき、同行する職種は看護職でも事務でも報酬には大きな差はありません。(医療行為の助手として事務では限られてくるので、医療行為が少なくなるという意味では減少する傾向はあると思いますが、人件費を超えるものではないでしょう)
医師と同行して、患者さんが医師には言えないようなこと、医師や事務では見えないような基礎看護の部分など、かゆいところに手を届かせることに対しては診療報酬上あまりメリットがなく、看護師だけで訪問する訪問看護には診療報酬(または介護報酬)が付きます。ゆえに、看護師は訪問看護事業所に流れていく傾向があります。訪問診療に付き添う看護師はますます減っていく傾向にあります。病態を理解し、患者と医師の関係、医療と看護の関係をうまくつなぐ医療のシンボル的存在が、訪問診療から徐々にいなくなっていく事は大いに寂しい限りです。