耳原鳳クリニックの経営母体法人である社会医療法人同仁会は、「お金のあるなしで医療を受ける権利が妨げられる事があってはならない」と、開設当初から「無差別・平等」を理念として来ました。同仁会の「同仁」は「一視同仁(=すべての人を分け隔てなく平等に愛すること)」の言葉から取ったものです。
この理念に基づき、耳原総合病院は開設以来、「差額ベッド代」(室料差額料)を徴収していません。現在、ほとんどの病院では「個室入院で1日1万5千円」程度の差額ベッド代を患者さんから徴収しています。ホテルとは異なり、「一泊いくら」ではなく「一泊二日入院なら2日分の差額ベッド代」を支払わなければなりません。この差額ベッド代は病院収入の結構大きなウエイトを占めています。日本の平均ではだいたい病院収入の約1パーセント程度を占めているので、耳原総合病院に当てはめると年間1億円にも相当します。これがあれば耳原総合病院の経営もすごく楽になるかもしれませんが、私たちは今後も差額ベッド代を徴収することはありません。それは病院や法人の存在意義に関わることだからです。
病気やけがで入院が必要な時、誰しも「静かでプライバシーの保たれた個室に入院したい」と思うのは当然のことです。私の家族も急な病気で自宅近くの急性期病院に入院したことがありますが、やはり「大部屋だと隣の患者さんの物音で療養がしんどいだろう」「トイレに行くのに距離があったら大変だろう」と思って個室を希望し、確か1日1万2千円くらいの差額ベッド代を支払いました。入院期間が長くなるとバカにならない金額になります。「良い療養環境を求めるのなら、それなりの対価を支払うのは当然」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、私はそれが「お金のあるなしで決まってしまう」ところに問題があると思うのです。私の患者さんで他の病院に入院した経験のある方から、「とてもしんどくて個室に入院したかったが1日1万円以上も支払えるはずもなく、1日2千円の4人部屋にしてもらった。耳原総合病院はこれからも私たちのようなお金のない患者のために頑張ってほしい」とのお手紙を頂いたことがあります。皆が保険診療により、より良い環境で療養できるような医療制度が望まれるのではないでしょうか。
長らく続いてきた低すぎる診療報酬のために日本の医療機関経営は全国的に危機的な状況になっており、この差額ベッド代をどの病院も値上げしています。がんの終末期の患者さんが入院する「緩和ケア病棟」でさえ、この差額ベッド代の徴収があります(もちろん、耳原総合病院では差額ベッド代はありません)。がんの療養で大変な状況に併せて、金銭的に大きな負担がかかるのは、心が痛みます。各病院のホームページから分かる、堺市内の主要な急性期病院の差額ベッド代の一覧は以下の通りです。
| 病院名 | 通常個室の差額ベッド代(1日あたり) |
| 耳原総合病院 | 0円(徴収なし) |
| A病院 | 8,800円(市内)・13,200円(市外) |
| B病院 | 12,100円 |
| C病院 | 16,500円 |
| D病院 | 16,500円 |
「みみはら」は社会的に意義のある事業を行っていると自負しています。私たちの無差別・平等の事業をぜひ応援してください(寄付や「みみはら協同基金」へのご協力をお願いします)。また耳原総合病院では、入院時の金銭的なご負担を極力抑え、どなたでも安心して療養いただける環境を整えています。経済的な心配をせず、治療に専念したい方には、ぜひ耳原総合病院での入院をおすすめいたします。
