成人への肺炎球菌ワクチン接種が4月から変わります
2月号は多忙のため発行できませんでした。申し訳ありません。3月号からまた頑張ります。
肺炎は、日本の高齢者の死因において常に上位を占める重大な疾患です。その最大の原因菌である「肺炎球菌」から身を守るためのルールが、2025年9月の日本感染症学会の「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第7版)」発表、および2026年4月の制度改正により新しく変わります。
1.なぜ「ワクチン」が変わるのか?
これまで65歳の定期接種では「ニューモバックス」というワクチンが使われてきました。しかし、2026年4月からは、より効果が持続しやすい「プレベナー20」へと切り替わります。これは、一度の接種で体の中に「免疫の記憶」をしっかり作り、長く守り続けるためです。
さらに、最新の「キャップバックス」というワクチンも登場しました。これは、現在の日本で高齢者がかかりやすい肺炎球菌のタイプを徹底的に分析し、その「弱点」を突くように設計された非常に効率の良いワクチンです。
2.「65歳」は一生に一度のチャンスです
満65歳の方は、自治体からの助成を受けて定期接種を受けることができます。2026年4月以降に65歳になる方は、新しい「プレベナー20」を公費で受けることが可能になります(堺市のホームページによると自己負担金は6000円です)。もし、より高いカバー率を求める場合は、自費診療(任意接種)として「キャップバックス」を選択することも、学会の指針により推奨されています。
3.すでに接種済みの方へ
過去に5年以上前にニューモバックスを打ったきりの方は、免疫が低下している可能性があります。これまでに肺炎球菌ワクチン接種を受けた方への追加接種は任意接種になりますが、プレベナー20やキャップバックスを接種することで、再び強力な予防効果が得られることが分かっています。ニューモバックスの接種後、1年以上あければ追加接種が可能です。
プレベナー20とキャップバックスは1回の接種で足りるワクチンです。またキャップバックスの方がプレベナー20よりも血清型カバー率が優れていることが分かっています。
肺炎球菌ワクチンは、単に「肺炎にならないため」のものではなく、「重症化して入院したり、命を落としたりすることを防ぐ」ための盾です。肺炎球菌は肺炎を引き起こすだけではなく、「侵襲性肺炎球菌感染症」と言う非常に重篤な全身感染症を引き起こすことがあるのです。2026年4月からの新制度をきっかけに、ぜひご自身やご家族の接種状況を確認してください。ですが、どうすれば良いのかわからない方も多いと思います。そのような場合は、当院にご相談ください。
