厚生労働省は昨年末12月20にインフルエンザの流行が全国的に注意報レベルになったと発表しました。毎年1月末ごろに流行のピークを迎えますが、今シーズンはそれよりはやく流行が拡大しつつあります。
現在風邪も流行っています。どちらもウイルスが原因の病気です。発熱、咳、咽頭痛、鼻水が見られます。しかしインフルエンザは突然発症し先に述べた症状が強く、気管・喉・鼻の局所の症状だけでなく、倦怠感・頭痛・関節痛などの全身症状が強いのが特徴です。また風邪より感染力が強く爆発的な流行を起こします。そして肺炎や中耳炎を合併したりします。特に心臓や呼吸器や腎臓に病気のある人の持病を悪くし死に至ることもあります。そして風邪とインフルエンザの大きな違いは、風邪のウイルスには治療薬は今のところありませんが、今はやっている季節型インフルエンザには治療薬がある点です。
現在のようにインフルエンザが流行している時期に、インフルエンザに感染した人に接触したことがあり、熱や咳が突然始まり、倦怠感や筋肉痛がつよい時はインフルエンザに感染している可能性が高いです。インフルエンザウイルスを検出する検査がありますが、その検査でインフルエンザウイルスが出なくてもインフルエンザの可能性は十分にあります。
インフルエンザの可能性があれば次のことをしてください。
①まずすることは通常の仕事や学校を休み十分な休養をとることです。それは感染の拡大を防ぐためにも必要です。それができればわざわざ医者にかからなくても数日でよくなることが多いです。しかし休業するには医師の診断書が必要な場合は受診してください。
②高齢者や持病のある人は受診してください。治療薬を発病後2日以内に服用することが進められます。
③39度以上の高熱が3日も続いたり、呼吸困難があったり、倦怠感が強かったりする時は受診してください。
インフルエンザの流行期でも高い熱が出るだけで咳も咽頭痛も鼻水もない場合はインフルエンザでも風邪でもない可能性があります。またいったん下がった熱がまた出る時は別の病気を併発している可能性があります。受診して全身の診察と検査を受けてください。
毎年インフルエンザが流行します。インフルエンザにかからないためには、十分の休息と栄養が大切です。インフルエンザワクチンも重要な予防法です。こまめに手洗いをしてください。