理事長あいさつ
安心して住み続けられるまちづくりを目指して。
2020年度、2021年度に続き、2022年度事業報告も「前進出来た一年であった」と報告できますことを、理事長として非常に嬉しく思います。「無差別・平等の医療と介護の提供」を理念に奮闘されている全ての役職員とご支援をいただいている皆さんに、心から感謝するとともに、ねぎらいの言葉をかけたいと思います。ご苦労様です。そしてありがとうございます。
2022年度の事業を一言で総括しますと、「コロナに全力で対応しながら、補助金に頼らずに事業本体で経営を維持し、中期事業計画である『みみはら2030年の樹』に具体的に着手出来た」一年であったと言えます。このことの意義は非常に大きいものがあります。私たちはこの一年間、「まず診る、援助する、何とかする」医療と介護を実践し、無料低額診療事業を広めてきました。また、同仁会ステートメント(案)に従い、LGBTQに関する学習を全役職員で進めてきました。私たちは多くの解決すべき課題を抱えていますが、一歩一歩前進できている事を確信にし、慢心せずに次の課題に着手していきたいと思います。
コロナ対応は5類化を経て、通常業務と感染症対応を両立しなければならなくなりました。5類になったと言いましても、症状出現前から感染力を持ち、かつ感染力が強いと言うウイルスの性質に変化はありません。どれだけ努力しても病院や施設内のクラスター発生は避けられず、職員の感染による休業が余儀なくされます。つまり、医療・介護事業所にかかる負荷は、今後も大きいと言う事です。コロナ流行前から、不十分な診療報酬・介護報酬の中で、医療・介護事業所は余裕のない運営を長らく強いられてきました。私たちは医療・介護複合事業体の強みを活かし、「感染症に対応した事業提供」を大いに進めていくつもりですが、抜本的な社会保障制度の改善がなければ、いずれ立ち行かなくなるのは明らかです。私たちは医療・介護従事者の社会的責任を果たすためにも、社会保障制度の充実を声を大にして訴えていきたいと思います。
2023年度事業計画で大切にしたい点は、「人づくり」と「地域での運動」です。私たちは2021年度に長年の悲願であった債務超過解消を果たし、2030年に向けての中期事業計画に進みました。同仁会の理念と事業内容に共感し、共に働いていただける多くの職員と幹部を育てていかなければ、これから10年先、20年先の事業は展望できません。人づくりは待ったなしの課題であり、大いに前進させていきます。また、「安心して住み続けられるまちづくり」を目指す私たちは、事業所のある堺・高石の地でどの様な問題があり、何を解決して行かなければならないのか、地に足をつけた運動をしてゆく必要があります。そのためにも、健康友の会みみはらの拡大は必須です。理事長として今年度も先頭に立って、「理事長のたまり場訪問」を行っていく予定です。今年度も皆さんとともに、大いに事業を前進させていきたいと思います。