最高気温40℃以上を指す「酷暑日」という言葉が予報で使われるようになった2026年の夏。堺市でも暑さが続き、外出を控えて過ごしている方が多いのではないでしょうか。ところが、涼しい室内で過ごしているはずなのに「腰が痛い」「ひざが伸びにくい」というご相談は、夏こそ増えます。堺市堺区の整形外科外来から、その理由と自宅でできる対策をお伝えします。
この夏、「動かない時間」が増えていませんか
2026年は、最高気温40℃以上の日を表す「酷暑日」が気象庁の予報用語に加わりました。気象各社の予測でも、8月は西日本で平年より気温が高い状態が続くとされています。熱中症警戒アラートが出ている日に外出を控えるのは、もちろん正しい判断です。
ただ、そこで見落とされがちなのが「動かない時間が積み重なること」による体への影響です。散歩や買い物、畑仕事といった、これまで当たり前にしていた活動が数週間止まると、体は思っている以上に早く変化します。
涼しい部屋にいるのに痛むのはなぜ? 3つの理由
冷房による「冷え」と、同じ姿勢の持続
筋肉は冷えると血流が減り、硬くなりやすくなります。そこへ「暑いのでソファやイスに座ったまま過ごす」時間が重なると、腰や首まわりの筋肉に持続的な負担がかかります。エアコンの風が直接当たる位置に座り続けている方は、特に肩・首のこわばりを訴えられます。
汗による脱水と、ミネラルの不足
大量の発汗で水分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)が失われると、夜中に足がつる「こむら返り」が起こりやすくなると考えられています。眠りが妨げられると翌日の疲労感も強くなり、さらに活動量が落ちる、という循環に入りがちです。
いちばん怖い「かくれ運動不足」
数週間動かないだけでも、筋力は落ちていきます。特に太ももの前側(大腿四頭筋)とお尻の筋肉が弱ると、ひざを支える力が減り、変形性ひざ関節症の痛みが出やすくなります。「夏のあいだは痛くなかったのに、涼しくなって歩き始めたら痛くなった」という方が秋に増えるのは、この夏の期間に筋力が落ちていたことが一因です。
夏に相談が増える、代表的な症状
- 腰の痛み……長時間の座位、寝返りの減少、冷房による冷えが重なって出やすくなります。
- ひざの痛み……立ち上がりや階段でズキッとする、正座がしづらい。変形性ひざ関節症の方は筋力低下で悪化しやすい時期です。
- 首・肩のこり、腕のしびれ……室内でスマートフォンやテレビを見る時間が増え、うつむき姿勢が続くことが背景にあります。
- こむら返り(足がつる)……夜間から明け方に多く、脱水や電解質の乱れが関与すると考えられています。
- かかと・土踏まずの痛み……サンダルや素足で硬い床を歩く機会が増える季節に多く、足底腱膜炎などが疑われます。
- 転倒によるケガ……夏バテや脱水でふらつき、家の中で転んで手をつき、手首を骨折されるケースもあります。
今日からできる、夏の5つの対策
「1時間に1回、3分だけ立つ」を決める
時間を測る必要はありません。テレビのCM、洗濯機が止まった音など、生活の合図に「立つ」を紐づけると続きます。立って、その場で足踏みを20回。これだけでも筋肉のポンプが働きます。
室内でできるロコトレ(ロコモーショントレーニング)
日本整形外科学会がすすめる、道具のいらない2つの運動です。エアコンの効いた部屋で安全に行えます。
- 片脚立ち……机や壁に手を添えて、床につかない程度に片脚を上げ、左右1分ずつ。1日3回が目安です。転倒しないよう、必ずつかまれるものの近くで行ってください。
- スクワット……イスの前に立ち、お尻を後ろに引くようにゆっくり腰を落として、座る手前で止めて戻ります。深く曲げる必要はありません。5〜6回を1日3セット。痛みが出る場合は、イスに浅く座って立ち上がる動作の繰り返しに置き換えてください。
水分と塩分を「のどが渇く前」に
朝起きたとき、入浴の前後、就寝前が抜けやすいタイミングです。汗を多くかいた日は経口補水液なども選択肢になります。ただし、心臓や腎臓の病気、高血圧などで水分・塩分の制限を受けている方は、必ず主治医の指示を優先してください。
冷房は「風を直接当てない」
設定温度を上げるより、風向きを変える・薄手の羽織りを1枚置いておく方が現実的です。ひざや腰など、痛みの出やすい部位を冷やさない工夫を優先しましょう。
シャワーで済ませず、湯船で温める日をつくる
慢性的なこわばりや動かしにくさには、温めることが役立つ場合があります(ぶつけた直後・腫れて熱を持っている場合は冷やす方が適しています)。暑い日に無理をする必要はありませんが、体調のよい日に、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる日をつくってみてください。
こんなときは、早めに整形外科へご相談ください
湿布や市販の痛み止めで様子を見てよい痛みもありますが、次のようなサインがあるときは、自己判断せず受診をおすすめします。
- じっとしていても痛む、夜間に痛みで目が覚める
- 足のしびれがある、力が入らない、つまずきやすくなった
- 排尿・排便がしづらい(この場合は早急に医療機関へ)
- 転んだあと、痛くて体重をかけられない、腫れや変形がある
- 発熱を伴って関節が腫れ、熱を持っている
- 2週間以上続いている、あるいは日ごとに強くなっている痛み
- 思い当たる理由なく体重が減っている
堺市堺区で整形外科をお探しの方へ
みみはら高砂クリニック(堺市堺区高砂町)の整形外科は、初めて受診される方を対象とした完全予約制の外来です。診察の結果、継続的な治療やリハビリ、手術の検討が必要と判断した場合は、耳原総合病院をはじめとする医療機関へご紹介します。
- 交通事故によるケガ、頭部外傷は対応いたしかねます。
- 紹介状をお持ちの方は、事前にお電話でご相談ください。
- 初診のみの外来のため、診察時間が長くなり、お待たせする場合があります。
お問い合わせ
まとめ
猛暑の夏は、熱中症だけでなく「動かないことによる不調」にも注意が必要な季節です。涼しい室内で、片脚立ちとスクワットを少しずつ。それでも痛みが続く、あるいは上に挙げたサインがあるときは、堺市堺区のみみはら高砂クリニック整形外科へお気軽にご相談ください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状には個人差があります。