栄養管理科の役割(使命)は、給食管理(食事提供)、臨床栄養管理(病気)、予防管理の3つに大別されます。
多職種による栄養サポートチームでの回診をはじめ、毎日集中治療室カンファレンスに参加し早期栄養介入管理の実施や周術期の栄養管理、退院に向けた栄養食事指導やかかりつけ医への情報提供を行っています。
当院は育成に力を入れているため、教育認定施設の認可を受け、在籍管理栄養士全てにNST加算算定の資格者として育成しています。このような背景のもとで2022年度診療報酬(周術期栄養管理実施加算の新設・早期栄養介入管理の拡大)の改定にも即時対応が可能となりました。
周術期の栄養管理については手術が決まった段階で栄養介入を開始しています。入院前よりリスクの高い方へ栄養面からサポートを行います。
また外来透析の方への栄養介入も行っています。
調理部門では成分別栄養管理により当院調理師が治療食を当日調理・提供するクックサーブを採用し、食事を治療の一環としてとらえ 栄養状態の改善にも取り組んでいます。
栄養面から患者さんの治療に寄与するとともに 地域の方へ食育の推進を行っています。
国が目標とする健康寿命を延ばすため、疾患予防から栄養ケアまでトータルサポートを実践しています。
以上のように当院栄養管理科の強みを生かしつつ初めに掲げた疾患予防から栄養ケアまで地域に寄り添ったサポートを継続していきたいと考えています。
当院では安全・安心で美味しい治療食の提供を直営で取り組んでいます。
機内食のようなクックチル方式で給食を出す病院が増えている中、当院では国産の野菜や肉を使い、料理したものをすぐに提供するクックサーブ方式でおいしい病院給食を追求しています。
病院給食は提供するすべての食事において治療食の位置づけを持っています。
1日約800食、外来透析1日約50食を手作りで提供しています。
病状の改善・治癒に向けての治療食、療養における規範としての治療食、予防も含めた基本的な食事を提供する治療食とさまざまな位置づけと役割があります。しかし入院される患者さまは、食欲や嗜好が健康時(日常)の状況と異なり、病気や環境から来る食べにくさや、家庭との味付けや食習慣の違いから喫食状況に大きな差異が生じます。
そのため給食部門ではできるだけ一人ひとりの患者さまに対応した食事作りに取り組み、常に80種を超える食事内容の提供となっています。 また、患者給食の食事変更は1日に延べ100件を超える食数になります。食種の変更や緊急入院などで食数や食種変更には迅速な対応が必要であり、極力応えていく体制をとっています。
実際の「嚥下食」を職員も試食ー 医師、歯科医師、看護師、リハビリスタッフらが参加しました
〇10回/年、このような季節を味わうお食事を提供しています
〇回復期リハ病棟(10F)や小児科病棟(9F)では、イベント(行事)に合わせたお料理も
子どもたちや入院患者さん、ご家族に大好評ー喜ばれているお姿は、スタッフみなのやりがいにつながっています
★こだわり特製ゼリー:
・「赤」いちご/「緑」小松菜やブロッコリー/星形はかぼちゃです
当院栄養科では病院給食1日約800食、全て手作りで安心・安全な給食を提供しています。
食養科では、入院患者さまのベッドサイドまで訪問し、患者さまの食事に対するご要望をお伺いしています。「ごはんをやわらかく」「パンがいい」など、可能なかぎり対応し、病院給食を少しでも食べやすく、全量摂取いただけるお手伝いをしています。
病院給食の提供にとどまらず、「医療スタッフ」の一員として患者さま・利用者さまの身近によりそい、多方面にわたりサポートできるとりくみを行っていきたいと考えています
また、地域開業医の先生方のもとに通院されている患者さまの栄養指導もお受けしています。
(下記の流れをご覧ください)
管理栄養士は、型にはまった一方的な指導ではなく、ご家庭の生活環境や食習慣に基づいて患者さまに「やる気」を出していただけるよう、心がけています。
がん治療後の再発予防のためには、日頃の食生活が大きく関わっていることが分かっています。これまでの研究で、野菜、根菜類、海藻、果物(食物繊維)の不足、肉の過剰摂取、加工肉の摂取が大腸がん、肝がんの原因になることが明らかとなりました。がん治療後の食生活の改善は生存率の改善に有効であるという報告も多くされています。
そこで当院栄養管理科は医師と協力し、「大腸がん、肝がん再発予防のための食事」のパンフレットを作成しました。
患者さんとご家族の方に少しでもお役に立てれば幸いです。
当院で使用している指導用パンフレットに興味のある方は下記よりダウンロードいただき、ご使用ください。
開業医の先生を通して
耳原総合病院地域連携室へお問い合わせ
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総合内科診療のご予約・栄養指導のご予約をお取りください
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当日、総合内科を受診いただき、栄養指導
栄養指導は月曜日から日曜日まで
午前・午後(土・日は午前のみ)
予約制でお受けしています。
指導内容に則した具体的な資料を使用し、お持ち帰りいただいています。
耳原総合病院 サポートセンター地域連携室 |
〒590-8505 大阪府堺市堺区協和町4丁465 TEL:072-241-0324 |
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2021年度 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
常食 | 1,614 | 1,435 | 1,332 | 1,386 | 1,312 | 1,288 | |
流動食 | 197 | 161 | 234 | 143 | 356 | 276 | |
特別食 | 24,413 | 24,186 | 23,495 | 23,647 | 24,361 | 22,464 | |
計 | 26,224 | 25,782 | 25,061 | 25,176 | 26,029 | 24,028 | |
前年数 | 25,182 | 26,501 | 25,950 | 28,181 | 28,179 | 26,553 | |
前年比 | 104% | 97% | 97% | 89% | 92% | 90% | |
2020年度 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 計 |
常食 | 1,415 | 1,263 | 1,270 | 1,117 | 903 | 1,231 | 15,566 |
流動食 | 193 | 119 | 119 | 203 | 80 | 76 | 2,157 |
特別食 | 24,159 | 23,821 | 24,084 | 24,536 | 21,735 | 25,457 | 286,358 |
計 | 25,767 | 25,203 | 25,473 | 25,856 | 22,718 | 26,764 | 304,081 |
前年数 | 27,001 | 25,000 | 26,994 | 26,747 | 24,105 | 26,898 | 317,291 |
前年比 | 95% | 101% | 94% | 97% | 94% | 100% | 96% |
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
常食 | 18,225 | 18,119 | 16,057 | 15,519 | 15,566 |
流動食 | 1,754 | 1,873 | 2,186 | 2,441 | 2,157 |
特別食 | 293,213 | 303,363 | 297,967 | 299,331 | 286,358 |
合計 | 313,192 | 323,355 | 316,210 | 317,291 | 304,081 |
食事アンケート ― 年 1 回実施
喫食調査 ― 年 1 回実施
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | ||
入院 | 3,609 | 3,336 | 2633 | 3002 | 2,921 | |
外来 | 1,111 | 1,517 | 1987 | 1738 | 3,033 | |
合計 | 4,719 | 4,853 | 4620 | 4740 | 5,954 |
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | ||
教育入院 | 患者数 | 80 | 88 | 98 | 88 | 72 |
脳卒中教室 月1回 |
回数 | ― | 1回 | 20回 | 13回 | |
患者数 | ― | 14 | 152 | 71 |
※脳卒中教室は2018年3月より再開
※2019年度より栄養教室(心臓病の方中心の教室)月2回開始
指標項目名 | 項目詳細 | 分子 | 分母 | 2021年度 | ||||||||
栄養摂取方法の状況 | 経口摂取患者割合 | 断面調査 経口摂取患者数 |
断面調査 入院患者 |
84% | ||||||||
経腸栄養患者割合 | 断面調査 経腸栄養患者数 |
断面調査 入院患者 |
5% | |||||||||
喫食率 | 5割以下率 | 喫食率が5割以下の患者数 | 喫食調査対象者数 | 29% | ||||||||
絶食率→7日以上 | 7日以上の絶食患者数 | 喫食調査対象者数 | 1% |