平成29年度 耳原総合 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1161 278 204 346 592 685 1564 2532 1941 487
当院では、内科疾患、手術が必要な方、また、小児科や、産科、など、乳幼児から高齢者まで幅広い疾患に対応して診療を行っています。
高齢化に伴い、救急搬送や緊急での入院も増加傾向にあり、地域の医療機関とも連携しながら、24時間365日、
地域の方々に安全安心の医療を提供できるよう心掛けています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 287 18.04 20.83 16.38 84.61
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 161 19.69 19.01 6.83 80.03
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 定義副傷病 なし 152 12.71 12.34 7.89 73.28
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 94 19.06 17.71 5.32 82.18
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 74 10.09 10.61 2.7 76.23
当院の内科疾患は救急受診からの急性疾患が多くを占めています。その中でも感染症が多く、迅速な診断と適切な抗菌薬使用のためにグラム染色や培養結果を丁寧に評価することを心がけています。
1位の誤嚥性肺炎は入院初期段階から言語聴覚士が評価を行える体制があり、極力絶食とならないように心がけています。また再発予防のためにも口腔内の衛生環境を改善する目的で歯科口腔外科医や歯科衛生士の評価や指導も積極的に行っています。
2位の敗血症は積極的に血液培養を行うことで菌血症状態を早く見つけ出し重症化を未然に防ぐことを心がけています。敗血症であっても前述のように広域になりすぎない適切な抗菌薬投与を心がけています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030270xxxxxxxx 上気道炎 190 4.83 4.84 0 3.21
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 171 5.9 5.94 1.17 1.96
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 132 5.17 5.5 0 4.4
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 98 6.87 6.18 1.02 0
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 80 5.43 6.32 1.25 4.11
小児科では上気道炎(急性鼻咽頭炎、急性咽頭炎等)、気管支炎などの呼吸器感染症が多く、喘息も含め呼吸器疾患での入院や、ウイルス性腸炎での入院が多くなっています。小さいお子さんが多いため外来と連携を図り、重症化しないように必要に応じて入院で治療を行い早期改善に努めています。
また、産婦人科と連携し出生直後から小児科医が診療し、黄疸や帝王切開により出生した新生児の入院も多くなっています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 401 3.01 3.03 0 70.48
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 307 3.66 4.62 0 71.2
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 58 3.28 3.19 0 70.88
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 44 17.43 17.71 0 82.43
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 34 5.09 5.68 0 72.47
当院の循環器内科は、多職種のスタッフで構成されたセンターとなっており院内医療チームとの連携はもちろん、診察から治療、入院から在宅まで、地域医療機関とも連携しながら診療を行っています。
治療は血管病変に対するカテーテル治療および心不全に対する治療が中心となっています。
なかでも、狭心症の心臓カテーテル検査・治療が多く緊急対応も24時間365日受け入れる努力も行っています。
また、心不全の治療は比較的高齢の方が多くなっており、平均年齢は82.4歳、平均在院日数も17日となっています。
閉塞性動脈疾患の治療も平均在院日数5日程度で行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 107 2.07 3.02 0 78.12
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 73 3.4 7.87 0 70.96
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 7.29 7.4 0 61.83
060100xx04xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的消化管止血術等 定義副傷病 なし 37 2.24 4.86 0 65.41
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 34 9.15 8.98 0 67.74
前年度同様に外科入院の上位5疾患のうち3疾患は大腸に関する疾患です。近年、大腸の疾患は男女ともに増加傾向にあり、がん死亡率も上位を占めている状態です。早期の大腸癌は、ほとんど症状がなく検診によって発見されることも少なくありません。当院では検診事業にも積極的に取り組んでおり毎年1回の検診をおすすめしています。直腸癌を含む大腸癌に対しては手術(腹腔鏡、TAMIS etc...含む)、抗がん剤治療などの集学的治療によりあらゆる症例に対応しています。





産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 56 8.16 9.75 1.79 33.07
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 43 4.35 4.98 0 63.21
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 35 6.34 6.28 0 44.2
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 33 8.21 9.67 0 32.7
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 32 6.56 6.37 3.13 44.31
症例数については、保険診療のみで行われた疾患の件数となっていますので、通常の産科の自然分娩での入院は含まれていません。当科では妊娠関連、悪性腫瘍の治療、良性腫瘍での手術を多く行っており、手術の約半数が痛みも少なく傷も目立たない腹腔鏡で対応しています。南大阪では数少ないウーマンズヘルスケア専門医としての女性の一生に寄り添う医療を提供しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 58 5.98 7.31 0 71.69
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 32 5.28 5.75 3.13 62.09
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 30 7.47 9.73 0 74.2
110420xx97xx0x 水腎症(その他) その他の手術あり 定義副傷病 なし 26 2.23 5.17 0 71.46
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病 なし 21 3.29 7.2 14.29 66.19
泌尿器科では膀胱がんや、尿管結石症、腎結石症といった尿路結石症が多くなっています。膀胱がんは早期発見・早期治療により膀胱を温存した治療も可能となり、尿路結石症や前立腺肥大症は内視鏡を用いた手術による治療が多くなっています。比較的低侵襲性の治療が多く、そのため在院日数も短くなっています。また、すべての疾患において原因や症状により治療方法は異なるため、検査結果や症状に応じて治療計画をたてています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 32 23.72 21.7 0 70.19
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 28 54.64 25.09 0 74.14
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 23 28.22 17.28 0 75.22
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定等 手術・処置等1 なし 17 28.18 22.08 5.88 70.65
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 14 54.14 27.09 14.29 84.93
整形外科では高齢者に多くみられる、脊椎の疾患や膝関節症の疾患や膝関節症の疾患の他、転倒による大腿骨近位部骨折の方が多く治療を受けられています。(整形外科で手術を行った場合の多くは、リハビリ病棟へ転棟するため、こちらに表示されている症例件数には、その件数は含まれておりません)



リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 11 77.73 27.09 0 82.36
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定等 手術・処置等1 なし - - 22.08 - -
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 - - 25.09 - -
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 定義副傷病 なし - - 15.22 - -
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし - - 19.01 - -
大腿骨近位部骨折・脊柱管狭窄症などの整形外科的な疾患に加え、脳梗塞・敗血症など回復に時間を要する場合のある疾患まで、幅広い疾患を受け入れています。疾患による日常動作(食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴などの生活を営む上で不可欠な基本行動)の低下を最小限に抑えるため、リハビリテーションを行っています。



呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 20 12.2 12.35 0 77.05
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.14 - -
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 10.04 - -
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 14.6 - -
040010xx99x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし - - 7.41 - -
2017年度、呼吸器外科では、悪性腫瘍や、気胸などを中心に診療を行ってきました。必要に応じて手術も行っています。
他の医療機関とも連携しながら、診療を行っています。
(個人情報に配慮して、年間10例未満の疾患に関しては、件数等を表示しておりません。)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 50 - 14 20 19 25 1 7,6
大腸癌 31 18 34 35 12 25 1 7,6
乳癌 21 24 - - - - 1 7,6
肺癌 14 11 11 12 14 1 7,6
肝癌 - 10 - - 10 55 1 7,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
日本人に多いと言われる5大癌で、当院では、大腸癌、胃癌、乳癌、肺癌、肝癌の順に患者数が多くなっています。
早期がんでは、手術治療を中心に行っています。手術は進行度に応じて、内視鏡下、腹腔鏡下でも行っています。
また、進行度に合わせて化学療法や内分泌療法、他病院と連携して放射線治療も行っています。
当院では、急性期病棟のほかに緩和ケア病棟を有しており、身体的、精神的苦痛を和らげる治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 10.85 49
中等症 41 15.15 79.95
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎は、当院でも患者数の多い疾患です。市中肺炎の重症度は、A-DROPスコア(年齢、脱水状態、呼吸状態、意識状態、収縮期血圧の5項目を点数化)で評価しています。
当院では、中等症が最も多く、また、中等症以上は、高齢者が多く、平均年齢も高くなっています。
病歴聴取と身体診察、画像読影を丁寧に実施することで肺炎の種類と起炎菌を推定し、さらにグラム染色や培養結果の積極的な活用を行うことで、迅速な診断と適切な抗菌薬使用を心がけています。高齢者の肺炎に対しては、再発予防のために肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンを積極的に進めています。また、若年の軽症市中肺炎に対しては積極的な外来治療にも取り組んでいます。
脳梗塞の患者数等
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 26 39.88 75.15 12.5
その他 30 32.9 75.13 10.71
当院では脳梗塞に対し急性期治療からリハビリまでを行っていますが、血管内治療は実施できないため適応症例は連携病院に協力していただきながら診療を行っています。急性期からリハビリ期まで一貫して関われることで、連続性のあるリハビリテーションを実施できることが大きな強みです。回復期リハビリ病棟は50床あり、特に脳血管障害の患者様は状態が安定した時点でできるだけ早く回復期リハビリ病棟でのリハビリに移行していただいています。退院に向けては家屋調査を積極的に行うなど、退院後の生活を常に大切にするように心がけています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 462 0.19 1.02 0 68.64
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 等 90 0.81 1.21 0 63.77
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 等 51 1.37 6.9 1.96 62.27
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 43 4.56 19.12 2.33 76.4
K7391 直腸腫瘍摘出術(経肛門) 等 37 0.14 1.05 0 65.22
外科手術件数の1番多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。大腸にできたポリープを内視鏡を使って切除・治療する方法です。切除されたポリープは悪性、良性の診断を診断結果に応じて今後の治療計画をたてていきます。大腸ポリープは検診によって発見されることが多い疾患です。胆のう摘出術・鼠径ヘルニア手術では一般的な外科手術(皮膚切開)を行わず腹腔鏡を用いて行う低侵襲(負担の少ない)手術が上位に入っています。状態に応じてにはなりますが当院では腹腔鏡での手術を行うことで手術に対する患者さまの負担をできる限り小さくするように努めています。





内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 等 62 0.02 1.15 0 69.73
K654 内視鏡的消化管止血術<胃> 等 58 1.24 11.64 3.45 73.76
K610-3 内シャント設置術 等 53 7.25 11.87 3.77 69.4
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 49 4.55 14.12 16.33 76.08
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)<胃> 等 49 1.12 7.12 0 71.94
内科では、透析に関連する手術と、消化器疾患に関する手術が上位を占めています。
透析に関する手術は、通常予定入院で行われます。経皮的シャント拡張術・血栓除去術は、人工血管の閉塞に対する手術で、内シャント設置術は、人工透析を導入する患者さんに人工血管を作成する手術です。作成後は、人工透析を行いその後退院となります。
消化器疾患の手術では、緊急性を要する手術として、胃や十二指腸からの出血に対して、内視鏡的に止血を行う内視鏡的消化管止血術、胆道にステントを留置し、閉塞を防ぐ、内視鏡的胆道ステント留置術が多くなっています。
大腸粘膜下層剥離術は、早期の大腸癌に対し、内視鏡的に切除を行う手術です。内視鏡手術は、体への負担が少なく、入院期間が短くなるというメリットがあります。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 265 1.94 2.57 0 71.76
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 等 36 1.78 2.33 0 67.81
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 等 35 1.4 3.14 0 72.66
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 等 29 1.45 5.86 0 68.1
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 等 26 0.04 17.38 3.85 65.58
循環器内科で多い手術は経皮的冠動脈ステント留置術です。
1番目は狭心症などの狭くなった血管に対してステント等を留置して血管を拡げる手術になります。
この手術の多くは予定入院で行っています。
2番目の経皮的冠動脈形成術は、狭くなった冠動脈をバルーンで拡張する治療で主に予定入院で行われます。
3番目の四肢の血管拡張術・血栓除去術は主に下肢の狭くなった血管に対して行う手術で予定入院で行わています。
4番目は血管を通して心臓内まで電極の付いたカテーテルを入れ、不整脈の発生源を高周波という電気を用い50°C程度に熱することで焼灼し不整脈を根治する治療法で予定入院で行われています。
5番目は血管が詰まり心臓の筋肉が壊死を起こす心筋梗塞に対する手術です。当院では24時間365日ハートコール体制をとっており、来院から90分以内に診断治療を行います。治療後は社会復帰に向けて心臓リハビリを行うため1番目の予定入院に比べ平均在院日数が長くなります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 57 1.51 5.88 1.75 33.33
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 等 49 1.22 5.98 0 32.22
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡)<卵巣両側摘出> 等 46 1.11 4.43 2.17 44.54
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 33 1.06 4.24 0 47.27
K867 子宮頸部(腟部)切除術 等 22 1.27 1.05 0 41.68
産婦人科での手術数を多い順に紹介します。一番目と二番目は帝王切開となります。帝王切開には予定帝王切開と緊急帝王切開があり、異常分娩時には小児科医も立ち会います。三番目と四番目は腹腔鏡による手術です。産婦人科では手術の過半数が痛みも少なく傷も目立たない腹腔鏡で対応しており、患者さまが安全に手術を受けられるように努力しております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 等 69 0 0.38 0 58.7
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 等 58 0.55 4.43 0 71.69
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 46 0.2 1.76 6.52 70.13
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 等 31 0.52 5.94 0 74.1
K7812 経尿道的尿路結石除去術<尿管> 等 19 1 3.42 5.26 63.58
泌尿器科では尿路結石症に対する手術が最も多く、衝撃波を用いた手術では日帰りもしくは1泊入院、レーザー砕石を用いた手術では3日~5日と短い入院期間で治療を行っています。また、膀胱がんに対して行う手術も多く、尿道から内視鏡を挿入し腫瘍を切除する低侵襲性の治療のため、入院期間は4~5日となっています。どの手術を行う場合も患者様への負担をできる限り少なくし、生活の質(quality of life)の向上を考慮しながら治療計画をたてていきます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 等 38 1.37 29.92 0 73.61
K0821 人工関節置換術(膝) 等 36 4.75 48.64 0 73.25
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 等 34 1.12 25.47 0 70.24
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 18 4.39 42.39 16.67 83.44
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 18 1.22 12.17 0 67.33
整形外科手術件数の上位5位を紹介しています。高齢化に伴い、当科手術におきましても、高齢者の転倒による外傷や、加齢のため生じる脊椎等の変形による疾患の手術が増加傾向にあります。術後の生活の質を保つ事を考慮し、手術は可能な限り身体への負担が少ない方法を選択し手術を行っています。



リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 13 4.46 75.69 0 84.69
K0821 人工関節置換術(股) 等 - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 等 - - - - -
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) - - - - -
リハビリテ-ション科では、大腿骨頚部骨折・脊柱管狭窄症など整形外科での手術後の方を受け入れています。平均年齢も高く高齢の方が多いですが、術後・治療後の迅速なリハビリテ-ションにより2017年度は87%の方に自宅退院して頂いています。



呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 等 10 1 12.4 0 77.4
K5131 胸腔鏡下肺切除術<局所的切除> 等 - - - - -
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) - - - - -
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) - - - - -
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) - - - - -
2017年度、呼吸器外科では、悪性腫瘍や、気胸などの手術を中心に行ってきました。
(個人情報に配慮して、年間10例未満の疾患に関しては、件数等を表示しておりません。)
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 60 0.61
異なる 180 1.84
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 96 0.98
異なる 11 0.11
当院では、感染症で、敗血症が疑われる症例に対しては、積極的に血液培養を行うことで菌血症状態を早く見つけ出し重症化を未然に防ぐことを心がけています。敗血症の診断となった場合でも広域になりすぎない適切な抗菌薬投与を心がけています。
手術・処置の合併症は、手術や処置に関連して発症した疾患に対する治療を主に行った場合の病名として選択します。
手術や処置の施行時には、細心の注意を払いながら診療を行っていますが、合併症は少ない確率で発生することがあります。
当院では、透析に関連する合併症で、シャント(人工血管)狭窄の件数が多く、あとは、少数ですが、術後の出血や、手術創部離開などがあります。
更新履歴
2018.9.28
平成29年度病院指標を掲載