ドクター松葉のぴりからコラム

アルツハイマー病の研究
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 アルツハイマー病協会が主催する国際会議が先日パリで開かれました。世界的に増加しているアルツハイマー病は、早期診断が大切であることが強調されました。
 アミロイドβ(ベータ)という異常な蛋白質が脳に蓄積することがアルツハイマー病発症の引き金です。脳に沈着したアミロイドβを検出できる装置を用いてしらべた研究によると、アルツハイマー病の患者さんの九〇%にアミロイドβが検出されたのに対して、健常者では二四%しか検出されなかったとしています。
 このアミロイドβを蓄積させないようにする、あるいは蓄積しても脳細胞が死ぬのをくいとめることができる薬がもしできれば、根本治療薬になりますが、その研究はまだまだ先が長いようです。
 脳卒中や心筋梗塞にならないために、血圧や血糖をコントロールするように、アルツハイマー病にならないためには、何を目安にしていけばよいのか。そのあたりが研究の最前線です。おそらく近い将来、あなたの脳にアミロイドβがすでにこれだけ溜まっていますよといったことがわかる検査キットが開発されるでしょう。
 完全に臨床症状が出てからでは、手遅れの感があります。軽度認知機能障害(MCI)と言われる、ちょっとおかしいぐらいの段階で、進行予防の何らかの手を打つことが非常に大切です。それとともに、研究の方向としては、まったく無症状だが、将来アルツハイマー病になると予想される人を拾い上げて治療することをも視野に入れています。発症を五年遅らせれば患者は半分に減るとの報告もあります。


Dr松葉のぴりからコラム