ドクター松葉のぴりからコラム

不安
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 足腰が動かなくなるのがよほど怖いのでしょう。このような質問をよく受けます。
 「グルコサミンとコンドロイチンとヒアルロン酸とコラーゲンをいつも飲んでいます。こんど鮫の軟骨成分の入った薬を飲もうと思いますが、飲んでいいでしょうか」
 「勝手にせい」と怒ろうかとも思いますが、そこはぐっと堪えつつ、「まあ、害にはならないでしょうから、飲んでもええのんとちゃいますか」などと、曖昧に答えます。
 現在の日本は、不安な時代だと思います。特に大震災以降、自分らとて将来どうなるかわからないという不安な気持ちが強くなっています。
 不安な気持ちは、実は私たちが生活するために大切な役割を持っています。考えてもみてください。ちょっと不安があったほうが、集中力が高まり、きちんと物事に取り組むことができるのではないでしょうか。まったく不安を感じないときのほうが力が抜けて何にもできなくなります。適度の不安こそやる気の源なのです。ほどほどの不安やストレスは人生のスパイスと言えます。ただし、不安が高じても非常に嫌な気分になります。
 不安になると閉じこもってしまうのは、人間として当然の反応ですが、いつまでも殻にこもると現実が見えなくなって、ますます不安になります。そのようなときには、「何に対しての不安かを言葉に出して表現する」ことと、「不安なことについて正確な情報を集める」ことが大切です。
 最初の例で言えば、サプリを飲んでも足腰に効くことは期待できない、というのが正確な情報です。軽いウオーキングのほうがよっぽどよく効きます。


Dr松葉のぴりからコラム