ドクター松葉のぴりからコラム

家で暮らす
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 入院を経験した方、または入院したご家族を介護された方なら、おわかりいただけると思いますが、高齢者がいったん入院してしまうと、退院してからが大変になります。一日でも病院のベッドで過ごすと、足腰が弱り、自分で立てなくなったりトイレに行けなくなったりします。認知症が悪化し、昼夜が逆転したりします。
 最近は、どこの急性期病院でも、病名によって入院の日数が決められる仕組みになっていて、肺炎なら何日間、尿路感染なら何日間と入院日数が最初から決まってしまいます。
 治療が完全に終わっていなくても、何日ぐらいで終わるという見込みがあれば退院になり、あとは家に帰るか、介護施設に移ってから残りの治療を継続するということになります。
 ここで、重要なことは、入院中から在宅復帰に向けての準備をすることです。家で暮らすためには、介護保険サービスの導入が不可欠です。ベッドやポータブルトイレを入れる、点滴が必要なら訪問看護を入れる、入浴は訪問入浴サービスを入れる、などのきめ細かなケアプランが必要です。ここに、ケマネージャー(ケアマネ)が力を発揮します。ケアマネさんは、今や要介護状態の高齢者を支えるために、なくてはならない存在です。
 そのように準備をして退院したとしても、短期間で、誤嚥を起こしたり、尿路感染を起こしたりして、再び入院が必要になることも実際にはよく起こります。あるいはまたご家族さんの負担が強くなり、在宅の継続が困難になる事態も起こります。
 そういう時に、ちょっと入院させてくれる病院、ショートステイをさせてくれる介護施設が、在宅療養にはありがたい存在となります。

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