ドクター松葉のぴりからコラム

追悼 ロビン・ウィリアムズ
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 ロビン・ウィリアムズ氏が亡くなりました。六十三歳だったということです。氏は、幅広い役柄をこなす名優で、グッドウィルハンティングではアカデミー助演男優賞を受賞しました。
 氏が出演した「レナードの朝」という映画があります(一九九○年、コロンビア映画)。
この映画は、研究しかしてこなかった医師が、慢性神経病専門の病院に臨床医として赴任するところから始まります。この医師の役をロビン・ウィリアムズが演じます。病院には、脳炎の後遺症のため、何年も目覚めない患者が入院しています。治療不能の難病・嗜眠性脳炎です。
 患者は、皆表情がなく、自発運動もないのですが、ボールを投げるとキャッチしたりする奇異な現象の存在に医師が気づきます。
ひょっとするとパーキンソン病に有効なL―ドーパが効くのではないか。
医師は、三十年間ずっと意識のないレナードという最も重症の男性に、L―ドーパを投与します。すると、はっきりと覚醒し、話をするではありませんか。
 医師とレナードの間に友情が芽生えたのもつかの間、激しい不随意運動という副作用が出現し、やがてレナードは昏睡の状態に戻ってしまいます。
この映画の中で最も印象深いシーンがあります。不随意運動で苦しみながら、レナードが医師に「学べ。しっかり学ぶのだ」と叫ぶシーンです。
 将来の医療の発展のために、この悲惨な症状をしっかり見てほしいと患者のレナードが言っているのです。
 原作は、神経科医オリバー・サックス。レナードを演じているのは、この方も名優ロバート・デ・ニーロ。私が、パーキンソン病の患者を診察する時、つい頭の片隅に浮かんでくる映画です。

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