ドクター松葉のぴりからコラム

血圧ガイドライン改訂
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 日本高血圧学会が、五年ぶりに血圧ガイドラインを改定しました。ポイントはいくつかあります。
(1)家庭血圧の重視  診察室で医師に測ってもらった血圧よりも、自宅で測った血圧のほうを優先します。家庭血圧のほうが、予後を正確に反映するからです。診察室では正常でも家庭血圧、中でも早朝の血圧値が高い人は脳卒中になりやすいことが明らかになっています。
(2)降圧目標値を変更  従来の目標値であった一三〇/八五未満を一四〇/九〇未満に引き上げる。これまで一三五/八五という血圧が微妙な値でしたが、これからは目標達成となります。ただし、糖尿病と慢性腎臓病の患者さんでは、一三〇/八〇未満となり、目標は厳しいままです。
(3)後期高齢者の目標を緩和  七五歳以上の後期高齢者では一五〇/九〇未満が目標となります。後期高齢者では血圧を下げすぎると腎臓などの重要臓器へ血が回らなくなる恐れがあるためです。しかし、これまでずっと一四〇/九〇未満で何事もなく来た人が、血圧管理を甘くしてかまわないという意味ではありません。
(4)複数の降圧目標があれば、高いほうを採用する  例えば、後期高齢者で糖尿病がある人。糖尿病の目標は一三〇/八〇未満ですが、この場合、高い方の基準を採用しますので、一五〇/九〇未満になります。
 これまで、血圧は下げれば下げるほどよしとしていたのが、緩和されました。海外のガイドラインもこぞって降圧目標を緩和する傾向にあるようです。
 コレステロールの目標値も最近は引き上げられるようです。この点、学者の集まりである医学会と製薬業界、そして行政との「あうんの呼吸」の臭いがします。

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