ドクター松葉のぴりからコラム

ストップ肺炎
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 肺炎というとすぐに治る大した病気でないように思われますが、実は高齢化とともに、肺炎で亡くなる人が増えています。亡くならないまでも、重症の肺炎になって入院すると、点滴、抗生剤、酸素吸入などをして一週間ほど寝たきりになってしまいます。退院してきても、足腰が弱って動けませんので、さらに医療費がかかります。
 肺炎球菌が原因の肺炎は、ワクチンで予防ができます。また高齢者がインフルエンザにかかると、肺炎を併発して亡くなることも稀ではありません。慢性肺疾患を持っている高齢者にインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの両者を打つと、打たない場合に比べ、入院率を六三%減少し、死亡率を八一%減少させるというデータがあります。
 肺炎球菌ワクチンの効果に関しては、ワクチンを打つことによって、医療費が大幅に削減されるというデータもあります。六五歳の人口一七四万人で試算した場合、ワクチンを接種した人の医療費が二五五九億円であるのに対して、ワクチンを打たなかった人の医療費が七四三三億円になります。ワクチン接種費用は一四四億円ですので、四七三○億円の医療費が削減される計算になります。
 寝たきりの要介護者は、誤嚥性肺炎を防ぐために口腔ケアが大切です。誤嚥性肺炎は、食物が気管に入って起こるだけではなく、口腔内の雑菌が知らないうちに気管に入ることも大きな原因です。それを防ぐために、口の中を常に掃除しておくことが重要です。
 六五歳になれば、インフルエンザワクチンといっしょに肺炎ワクチンも打ちましょう。

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