ドクター松葉のぴりからコラム

もっとワクチンを受けましょう
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 臨床医として、患者さんの役に立っているかどうか疑問を抱く場面が多々あります。例えば、放っておいてもいずれは治癒する上気道炎。せっかく来院されたからと、しかたなしに薬を出します。
 そのような臨床医でも、確実に患者を病気から救っていると実感できる瞬間があります。その一つがワクチン接種です。近代医学が人類に貢献した最大の成果がワクチンだと私は思います。
 天然痘が撲滅したのはひとえにワクチンがあったからです。ポリオ、日本脳炎、破傷風、麻疹などもワクチンのおかげで封じ込めています。
 予防接種法改正により、今年四月から、新たにヒトパピローマウイルス(子宮頚癌)、インフルエンザ菌B型(Hib)小児用肺炎球菌の三ワクチンが、定期接種の対象になりました。
 報道によると、厚労省は、子宮頚癌ワクチンである「サーバリックス」と「ガーダシル」のいずれも、積極的な勧奨を一時的に差し控えると発表しました。その理由は、副作用を否定できない長く激しい痛みがある症例があったためです。たいへん残念なことです。
 副作用の頻度については、今年三月末までの三二八万人の接種者のうち、三五七件だったと報告されています。○、○一%になります。
 何が残念かというと、国の弱腰が残念なのです。国民は極めてまれにしか発生しないワクチンの副作用にばかり目が行き、ワクチンの効果を忘れているのです。
 ちなみにインフルエンザワクチンの重い副作用の頻度は、スーパージャンボ宝くじで一億円が当たる確率と同じぐらいです。

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