ドクター松葉のぴりからコラム

初めての病院で伝えるべきこと
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 耳原高石診療所では、初めて来院された患者さんには、看護師が特に詳しく問診をとるようにしています。どこの医院、病院でもいっしょだと思いますが、初診患者さんは、この問診がきわめて大切です。
 初めて診てもらう医師にうまく伝えるための秘訣があります。
 「今日は、どうなさいましたか」という質問に、症状や困っている事柄だけをながながと述べるのは、最もしてはいけない伝え方です。その前に伝えるべきことがいくつかあるのです。
 まず、既往歴。これまでどこの病院にかかっていて、どういう病気を持っているか。その中には精神科や心療内科があるのか。あるいはどんな手術をしたか。次に職業と家族構成。これが案外重要です。仕事をしている方なら、労働時間や職場の人間関係。引退している方なら配偶者の年齢や同居家族との人間関係の良し悪し。そして、服薬状況。これには、薬局でもらうお薬手帳が必需品です。さらに飲酒や喫煙、アレルギーの有無。
 ここを受診するまでのそういう背景を伝えてから、初めて、いま一番気にしている症状に入ります。
 ここぞとばかり、症状と関係のあることないこと、いっさいがっさい、延々と長いお話をする方がいらっしゃいます。「患者の話を止める技術」を持っている医師なら、そういうとき「それはつらかったですね」「本当によく頑張られましたね」といった承認のセリフをはさみます。
 こちらが話している息継ぎの瞬間にこの承認のセリフが来れば、もう話を止めるタイミングと理解するべきでしょう。

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