ドクター松葉のぴりからコラム

胃癌の根源ピロリ菌
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 日本人の二人に一人は、癌のために死にますので、癌対策はわが国の重要課題です。最近では、肺癌、大腸癌などが増加していますが、胃癌はあいかわらず多く発生します。
 これまで、胃癌の検診としてレントゲン撮影が行われてきました。検査台の上に乗り、バリウムを口から飲んだあと、台を倒したり斜めにしたりする、あれです。
 全国で地域、職域を含めて、年間約六二○万人が公的検診を受けていますが、胃癌の発見率は○.○八八%(五五○○人)です。一方、胃癌の発生数は約一一万人。すなわち、公的な胃癌検診は、発生する胃癌の五%程度しかカバーしていないことになります。
 まさに労多くして益少ない検診に代わり、ピロリ菌の感染の有無を重要視する検診方法になってきています。その根拠は、最近の疫学データです。すなわち、日本と韓国では、胃癌の九五%以上がピロリ菌の感染が原因であることがわかったのです。
 いわゆる団塊の世代が、癌年齢になってきていて、胃癌の数が増えていくことが懸念されています。なぜなら、団塊の世代のピロリ菌の感染率は七○%を超えているからです。井戸水を飲んだからだと言う人もいますが、根拠はありません。
 ピロリ菌に感染しているかどうかは、血液検査でもわかりますが、胃の状態を検査することも重要ですので、ぜひ胃カメラ検査を受けることをお勧めします。カメラで萎縮性胃炎と診断されれば、胃癌になる可能性が高くなります。
 除菌は抗生物質を一週間、通常量の倍飲んでいただきます。これには保険が適応されます。

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