ドクター松葉のぴりからコラム

高血圧、効く薬効かない薬
耳原高石診療所
所長 松葉 和己


 高齢者高血圧の専門家で、『ためしてガッテン』にも何度か登場している医師に、桑島巌(くわじまいわお)さんがいます。私は、随分昔になりますが、東京都健康長寿医療センターで研修をしていたことがあります。桑島先生は、長年そこで研究と臨床を続けておられ、現在は副院長です。
 その桑島先生が最近出された本が、「高血圧、効く薬効かない薬」(朝日新書)です。たいへん刺激的な本で、わかりやすく書かれてありますので、ぜひ読んでください。
  いきなり、「あなたの知識をチェック」するクイズから始まります。以下の文が正しいか間違っているかを答えるようになっています。
(1)「血圧が下がるか」を、よい降圧薬のモノサシにする
(2)「高い薬はよい薬」と心得る
(3) 降圧薬の効き目がなくても三ヶ月は使いつづける
(4) 診察室で先生に測ってもらう血圧より、自分で家庭で測る血圧を重視する
(5) 「一日一回」と書かれてある降圧薬。効き目が一日つづかないときは、朝晩に分けて使う
どうでしょうか。なかなか考えさせられるのではないでしょうか。
  正解は、(1)正 (2)誤 (3)誤 (4)正 (5)正
 桑島先生は、安価で昔から日本人に合っている利尿剤をもっと使うべきで、製薬会社が儲かるだけの新薬に飛びつく現在医療に警鐘をならしています。
 なぜ、利尿剤が使われないのか。それは、医学会と癒着した製薬業界の裏の事情がある、と先生は言います。新薬の開発にかけた莫大な年月と費用を回収するために企業は必死で新薬を売ろうとするのです。


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