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糖尿病になってインスリンが足りなくなるとまず食後の血糖があがってきます。次いで朝の食事前の血糖(空腹時血糖)も上がってきます。空腹時で126mg/dl以上、随時の血糖で200mg/dl以上あるとまず糖尿病かな?ということになります。
食物を取ると消化し吸収して血糖は次第に上がってきますが、上がった血糖が刺激となって膵臓からインスリンが血の中に湧き出し、肝臓や筋肉にあるぶどう糖の入り口を開いて血中の糖分を流し込み、血糖を下げます。インスリンが足りない、 と血糖が上がりますが同時に肝臓や筋肉にはせっかく取ったエネルギーが入っていかない(糖の利用障害)ということも起こっているのです。
こうしてあがってきた血糖が170から180mg/dlを超すと腎臓で尿に溢れ出してこぼれてきます。これが尿糖です。
検査機の写真糖尿病すなわちおしっこに糖のでる病気、という気がしますが、実は尿の中の糖分というのはインスリンが足りないために上がった血糖がこぼれだしたもの、というだけのことですから、空腹時に150mg/dlとしっかり血糖が上がっていても尿糖が出ていないこともあります。 尿糖は糖尿病の症状のごく一部分で本質的な症状ではありません 。
糖尿病で起こる症状をふたつに分けて考えてみます。
ひとつはインスリン不足のために起こってくる高血糖の直接の症状です。もうひとつは長い間高血糖にさらされているため、体の中のいろんなところが糖分に浸された結果起きてくる症状(合併症)です。

高血糖の症状
のどが乾く(口が乾くのではなく水分を飲みたいという渇き)、ともかくよく水分を取る、尿の回数、量が増える(夜間は特に目立つので気付きやすいと思います)、食欲があるのに痩せていく(癌を心配して来られる方もいます)、体がだるい、疲れ やすい、

合併症の症状
眼が見えにくい、視力が落ちた、手足のしびれ(手より足に強く左右対称がふつう)、体がかゆい(特に陰部のかゆみ)、排尿障害、勃起不全、下肢の浮腫、などがあげられます。

糖尿病の診断は高血糖の症状があって実際の血糖が正常よりも高ければそれでついてしまいます。もし血糖が高くなくて糖尿病が疑わしい時に糖負荷試験というのをします。
これは75gのぶどう糖を飲んで30分、60分、120分と、血糖の上がりかたをみる検査です。通常血糖を取る時、尿糖のチェックと血中のインスリン濃度の測定も同時に行います。負荷前で126mg/dl,120分で200mg/dlを超えていたら糖尿病型と診断します。
同時に測ったインスリンの出方をみて、インスリンの出の悪い糖尿病(インスリン欠乏型)か、インスリンのよくでている糖尿病(インスリン抵抗性)か、とか、インスリンのでるタイミングの遅れなどを判定、治療方針に役立てます。
糖負荷試験は糖尿病の人が普段制限している糖分を一時に多量にとって反応をみる、という検査です。すでに血糖が200mg/dlを超えて高い方にする必要はありません。また、前日は普通に食事をしておかないと翌朝の検査で異常な反応が出やすくなります。
検査には2時間あまりかかりますが、検査中は飲食せずに静かにすごしてください。


***眼の検査***
たとえ血糖が正常でなにも症状がなくても、眼科で眼底検査を受けて、糖尿病網膜症が悪いですよ、といわれたら、間違いなく相当年季いりの糖尿病である、といえます。
目の写真糖尿病の合併症の代表である糖尿病網膜症は、眼底の血管の変化をいいます。眼底は いつでも繰り返し、危険なく検査のできる場所です。ここにその人ひとりひとりの糖尿病の経歴が刻み込まれている、と考えればわかりやすいか、と思います。
糖尿病はじっくり悪くなっていくと、まったく自覚症状なくすぎます。その過去の時間の高血糖が体に及ぼした影響を記録しているのが糖尿病網膜症です。
ですから糖尿病といわれたら、必ず眼科を受診して、自分の気づかない過去に糖尿病がなかったかどうか、眼底検査を受けておく、というのはとても大切なことです。


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