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新聞やテレビで糖尿病の解説記事をみることが本当に多いと思います。そうなんです、日本ではいま、糖尿病がどんどん増えています。なぜでしょう?
糖尿病は遺伝する体質があっておこる、といわれています。いまになって日本人の体質(遺伝子)が変わったとでもいうのでしょうか?
日本人は縄文時代から米を作って貝を取って生きてきました。農耕の民です。植物性のものをたくさん食べるので腸も長めです。少ないカロリーを上手に使って暮らしてきたのでエネルギーを節約して使うための仕組み(節約遺伝子または倹約遺伝子)がよく発達したのだろうといわれています。
ステーキの写真いっぽう欧米人は狩の民です。動物性の蛋白と脂肪を摂り、獣を追ってエネルギーのもと(食物)を手にいれます。だから日本人よりも腸も短いようだし、一時に大量の食物を食べてもたくさんのインスリンが湧き出して、エネルギーの流れを調節します。
日本が最近の30年でどう変わったか?マックのハンバーガーは子供たちの大好きな昼食です。コーラは大きなペットボトルで大安売りです。牛乳も200mlのビンでなく1リットルのパックです。寿司もビフテキもバナナもチョコレートもご馳走ではなく、毎日のありふれた食べ物になってしまいました。
そうなんです、うさぎ型の体をもつ日本人が、ライオン型の体の欧米人の食べ物を食べるようになったのです。そのために隠れていた“インスリンの出が減りやすい”日本人の体質がもろにあらわれるようになったのがいまの日本の“糖尿病大流行”の原因だ、と考えられています。伝統的な日本の食生活で守られていた健康が急激な食生活の欧米化についていけずに破綻したのです。
いまのままいくと日本では2030年くらいまで糖尿病は増え続けるだろう、という推測があります。日々の暮らしを見直して、日本人の体質に無理のない暮らしを考えてみたいものだ、と思います。

“インスリンが足りない”という糖尿病の起こりかたの意味をもう一度考えてみます。
ものが足りなくなるのには二つのことがあるといえます。つまり、作られる量が少ないことと、必要な量が多くなることです。インスリンは体の中でたくさんつくられているのにそれ以上にインスリンの必要量が増えて足りなくなる糖尿病があります(この場合をインスリン抵抗性が強いといいます)。それに対してインスリンが少ししかつくられないために糖尿病になることもあります(インスリン欠乏とよびます)。
とても太った欧米の糖尿病はインスリン抵抗性の強い人が多いのに対して、小柄で欧米人ほど太れない日本人の糖尿病はインスリン欠乏の度合いが大きいようです。

ケーキを食べている写真インスリンってどういうものか、ちょっと考えてみます。
インスリンは胃袋の後ろにある膵臓にあるランゲルハンス島と名づけられた細胞でつくられています。食べた食物が消化され小腸から吸収されて血糖が上がるとこのランゲルハンス島のβ細胞に信号が送られます。この信号に応じてインスリンがβ細胞から血の中に出てくるのですが、ふだんインスリンはごくちょろちょろと流れていて、何か食べて血糖が上がると急速に大量のインスリンが血の中に湧き出す、 という2種類の出方をしています。これはβ細胞がインスリンを作ってはため込んでいてふだんちょろちょろ、ここぞという時どかっとだす力をもっている、ということです。日本人の糖尿病の多くは、このちょろちょろはだせるのですが、どかっと出す勢いが悪くなってきて糖尿病がはじまる、といわれています。
糖尿病が悪い状態(血糖は空腹時で60から100mg/dl、食後で200mg/dlを超えないのが正常ですがいつも200mg/dlを超すような時)が続くとβ細胞は疲れてきて、だんだんインスリンをつくる力を落としてきます。こうして糖尿病自体が適切な治療をしないことで、さらに重度の糖尿病に進展していくことになります。

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