救急総合診療科の大矢です。

10月19日に沖縄県立中部病院の高山義浩先生にお越しいただきレクチャーを行っていただきました。
機会を最大限に活かすために無理をお願いしての2本立てでした。
どちらも高山先生が経験された患者さんの物語が組み込まれた胸の熱くなるレクチャーでした。
金言だらけのレクチャーでしたが、特に多くの方に共有したい内容をまとめます。

Session1「在宅につなげる感染症診療の実際」
●感染症領域で心がけたい地域連携
・特別な感染管理を実施した患者さんについて、臨床情報を主治医と訪問看護へ適切に提供する。
多剤耐性菌の感受性情報(と推奨する抗菌薬)
病院において実施していた感染対策の内容
ケアマネなど介護関係者に主治医の頭越しに指示しない
・求めに応じて感染対策についてのアドバイスを行えるよう、相談しやすい関係を構築する。
いまのやり方に足し算、引き算でアドバイスを行う
できれば引き算が先。「相談すると楽になる」と思わせる
絶対にダメ出ししない。在宅ケアに敬意を払う
微妙なときは、早めに保健所を巻き込んでおく

●覚えておきたい在宅で使える抗菌薬
AMPC、AMPC/CVA、CEX、CTRX、TOB、LVFX、AZM、DOXY、CLDM、ST

●在宅療養を考慮する時の注意点
・在宅療養の適応があるかを確認する
本人や主介護者の不安に配慮する
不安定な要因があるなら無理に家に帰さない
在宅療養がよいという価値観を押し付けない
・必要な支援と役割分担を確認する
24時間の生活の流れをイメージする
医療と介護の役割分担を明確化する
急変時の対応を入念に打ち合わせる

●人生の最終段階における抗菌薬投与の差し控え
・抗菌薬の投与経路が確保できないとき
・安全に投与できる抗菌薬がみつからないとき
・抗菌薬を投与してもQOLの改善が期待できないとき
・微生物の感染による自覚症状を認めないとき

Session2「病院に求められる地域包括ケアとの連携」
●医療ケアの継続性のためのポイント
・薬剤調整と服薬管理
・栄養と摂食支援の確認
・社会的サポートの調整
・患者教育とACP

●10年後の地域医療にむけて

・自宅や高齢者施設における初期医療の重要性が高まる
地域医療は「病院完結型」から「地域完結型」へ
地域包括ケアシステムの構築が推進される
医療依存を高めたまま自宅や施設に暮らす人が増える
・生存より生活を優先させる医療の提案力が求められる
在宅医療を生活を病院化する「トロイの木馬」にしない
尊厳ある生き方についての社会的議論と足並みをそろえる
とくに、終末期における治療差し控えの合意形成力がカギ
・医療内容についてのアカウンタビリティが求められる
低リスクの人々が医療費の共同負担を拒否しはじめている
生活習慣病のコントロールなど責任ある態度が求められる
地域医療の質が定量的に評価され、比較されるようになる

全体を通じて僕自身に一番刺さったのは「SystemではなくCultureで高齢者を支える」という言葉でした。
今回のレクチャーがそんなCultureのある病院づくり、地域づくりのきっかけとなるように取り組んでいきたいと思います。
さらに詳しく知りたい方のために著書の写真もアップしてますので、
ぜひ手に取ってみて下さい。

高山先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。

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