JVPについて(藤本卓司先生の教育回診)

こんにちは。西淀病院初期研修医1年目の内田です。今週から耳原での研修を開始しました。

 

10/11の藤本卓司先生の教育回診はJVPについてでした。

頸静脈を観察することで、脱水評価、右心負荷の評価ができます。
JVPは45度で約3.5〜4センチが正常であり、それをこえると溢水の可能性があります。


前日との変化でその日の体内水分量を測ることができます。
30度以下になると、頸静脈の拍動の先端が中にうもれてしまうのでうまく測定できなくなる可能性もあります。

そもそも頸静脈を探す方法ですが、橈骨動脈を触れながら、それと同時に脈うつのが頸動脈、そのとき一層性もしくは二層性に引っ込むのが頸静脈です。

大変勉強になり、楽しかったです!自分の病院に戻っても、JVPの診察を広めていけたらと思います!

「黄色ブドウ球菌は細胞内寄生菌?」

救急総合診療科部長の藤本です。先週末「薬剤師・検査技師のための第4回南大阪ASTセミナー」で講演する機会をいただきました。「ASTコンサルテーション:よくある相談10」という演題で,抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が日常よく受ける相談と現時点でのエビデンスについて述べました。

準備をする中で,私が最も心惹かれた内容を1つだけご紹介します。それは,,,「骨感染症において黄色ブドウ球菌が骨芽細胞をシェルターとして利用し,多くの抗菌薬の攻撃を回避している!」という知見でした。スライド(抜粋)を参照ください。黄色ブドウ球菌が骨芽細胞内に存在している(写真左)だけでなく,骨芽細胞内で分裂・増殖する姿が捉えられています(写真右)。白色の隔壁のような線が分裂しようとする細胞壁を表しています。その後,黄色ブドウ球菌は骨芽細胞を破壊してまた外に出て行きます。

黄色ブドウ球菌が骨芽細胞内に入ることの生物学的な真の意義は分かりませんが,βラクタム薬やバンコマイシンは骨芽細胞の細胞膜を越えて細胞内に入ることができませんから,少なくとも結果的にこれらの抗菌薬に対して防衛的に働きます。一方,RFPは容易に骨芽細胞内に移行し,黄色ブドウ球菌を殺菌できる濃度にまで達します。

結核菌,サルモネラ,レジオネラなどは細胞内寄生菌として有名ですが,黄色ブドウ球菌も,意味合いは違いますが,ちょっと似たような能力を持っているわけです。やはりただ者ではないですね。この“シェルター現象”は,後で調べてみるとあちこちに記載されていました。日々勉強です。

8月6日 広島にて

こんにちは。藤本(明)です。

 

8月に広島で行われた原水爆禁止2018年世界大会に参加してきました。少し不安はありましたが、研修医の同期2人と他職種の方々と一緒に行けて、とても充実した3日間を過ごすことができました。

1日目は開会式。その後原爆の子の像に折り鶴を捧げ、原爆ドームへ行きました。
2日目は平和をテーマにした講演会に参加しました。
3日目は、8月6日。原爆が広島に投下された日、同期2人と平和記念式典を見学し、その後閉会式に参加してきました。

講演会の中で、広島の高校生が原爆被災者の方のお話を聞いて絵にする活動をしている話をしてくれました。持参された絵には、衝撃、空虚、かすかな悲しみが広がっていました。あの8月6日の悲惨さを少し感じた気がしました。

この3日間で、当たり前に平和な日常の中にいられることは本当に幸せなことだなと思いました。研修医として忙しい日々を過ごしていると、つい目の前のことだけに必死になって盲目的になってしまいますが、ふと感じた疑問から目を背けず、向き合っていくことはとても大切だと感じました。

Dr.Branch 臨床推理カンファレンス

和歌山生協病院から参りました、耳原総合病院 小児科研修中 初期研修1年目 小形 光です!

8/31-9/1、ジョエル・ブランチ先生 (湘南鎌倉総合病院) をお招きした勉強会、「 Dr.Branch 臨床推理カンファレンス」に参加させていただきました。

1日目はブランチ先生が準備してくださった症例についてケースカンファレンスをしました。

急性の息切れを主訴とした80代男性の症例で、既往にCOPDがあり、口すぼめ呼吸や呼気延長がみられました。COPD増悪だと思いましたが、呼吸器感染症を疑わせる所見は無く、増悪の原因が思い当たりませんでした。他の疾患かなぁ、心不全はなさそう、肺炎が隠れているのかなぁ…と悩みましたが、検査所見が明かされていき、肺塞栓症の存在が明らかになりました。

COPD急性増悪の約30%は原因不明で、
そういった例の16.1%は肺塞栓症があるという報告があり、今回もそのような症例でした。

2日目は当院総合内科の症例(フォーカス不明の発熱を呈した80代女性)についてカンファレンスをしました。鑑別診断を挙げてる際、ブランチ先生はよく「それは病歴・身体所見に合いますか?」と尋ねられました。改めて、病歴・身体所見に基づいて鑑別診断を考える大切さを学びました。

実際の患者さんに協力していただき、問診・身体診察の仕方を学びました。知っていたつもりだった身体所見でも、沢山のコツを学べました。ただ、1番印象的だったのは、大勢の聴衆の中で、患者さんの目を真っ直ぐに見つめて、優しく問いかけてらっしゃるブランチ先生のお姿でした。どのような状況でも、患者さんに対する真摯な姿勢を忘れないようにしようと思いました。

今回の勉強会は基本的に英語でしたが、僕はルー○柴さんのような話し方になってしまい、英会話教室に通おうかなと思いました
(ブランチ先生は日本語もご堪能で、優しく対応して頂けました)。

細菌検査技師さんの勉強会

救急総合診療科/感染制御室の河村(裕)です。

先日(9/8)、大阪泉南地区の細菌検査技師さんの勉強会で「医師と細菌検査室の密な連携が寄与したケースファイル」というタイトルでお話する機会をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

救急総合診療科では研修医の先生と一緒によく細菌検査室に通っているのですが、当院の技師さんはとても熱心で面倒見がよく、いつも丁寧にグラム染色の見かたや培地(コロニー)のことなどを教えてくださいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、密に連携を取っていたことで素早く適切な診断・治療に繋がったイチオシの6症例を選んでお話ししてきました。

 

 

質問も色々といただいて他院の細菌検査室のことも知ることができ、私自身にとっても大変勉強になる1日でした。

今回をもってこの勉強会はお開きとなるようですが、新進気鋭の若手(?)を中心とした新しい会が立ち上がる予定だそうです。これからも医師×技師で協力して泉南地区を盛り上げていきたいと思います!

急性心不全診療におけるクリニカルシナリオ

R指導医の田端です。

ERでは毎週、経験の振り返り検討会を行っていますが、今日は「急性心不全診療におけるクリニカルシナリオ(CS)」について紹介します。

 

初期研修医から、高齢者急性心不全患者の救急外来対応に関する臨床上の疑問が出されました。

「CS1の急性心不全患者に対してニトログリセリン舌下投与後にNPPVを開始したが、その後上級医はループ利尿薬の投与も行った。CS1の治療方針はNPPV+硝酸薬投与とされているが、ループ利尿薬を投与する場合としない場合がある。上級医はどのように判断しているのか?」と言うものでした。良い疑問だと思います。

研修医の先生は、CSを「急性心不全に対する治療方針分類」と捉えている方が多いように感じています。2008年に提唱されたCSは、非循環器専門医が救急外来において接触時の初期収縮期血圧に基づいて迅速に患者を層別化し、救急外来到着早期(90-120分)にどう対応すれば良いのかに関する提言であり、症状を軽減するための初期治療としての位置付けです。急性心不全のために救急受診した患者の多くは入院治療が必要になりますが、入院治療方針を示すものではありません。

nCASCADE database(国立循環器病センター急性非代償性心不全症候群データベース)によれば、CS1で入院した患者の57%に入院後4.5Kg以上の体重減少が見られたとされています。つまり4.5リットル以上の体液過剰があったと言う事です。こういう患者にはループ利尿薬の投与が必要になりますので、CS1急性心不全患者でも体液貯留の評価をきちんと行う必要があります。

またこのデータベースによれば、CS1急性心不全の54%に心エコーでの左室収縮機能不全を認めています。CS1急性心不全と言うと「左室収縮能は保たれている」との印象が強いと思いますが、左室駆出率が低い患者が収縮期血圧上昇を伴った急性心不全で救急搬送されてくる事は、よく経験する事です。こういう患者では慢性的体液貯留をきたしている場合が多く、ループ利尿薬が必要になる場合が多いです。また左室駆出率が低い患者には強心薬の使用が必要になるかもしれませんので、救急外来において心エコーで左室収縮能評価を行う事はとても重要な事です。

上記の様な指導を初期研修医に行うと、キラキラした眼で「よく解りました!」と答えてくれたので嬉しかったです。初期研修医を始め、後輩の若手医師に自分の知識や経験を伝えることが出来る立場についているのは、本当に幸せな事です。初期研修医にとっての知識の「取っ掛かり」になって、そこから自己研鑽に繋げて頂ければ良いなと思います。

主食は米ですが・・・

総合診療科初期研修医坂本です。

今回の症例は60代のパニック障害・うつ病が既往にある男性でした。
意識障害、低酸素・換気障害で救急搬送され、誤嚥性肺炎として抗菌薬投与されました。
換気障害はNPPVで速やかに改善しました。しかし、翌日再度意識障害と高度の換気障害があったため、ICU入室され、気管支鏡検査で気管支末梢に大量の米粒がみつかりました。米粒回収後は換気障害・意識障害は速やかに改善、退院されました。

誤嚥性肺炎は入院病名としては非常に多い疾患ですが、意識障害・高度換気障害を来すことは稀です。
本例の様な重症誤嚥性肺炎の場合、気管支鏡検査を含めた閉塞原因の同定が必要である事を学びました。
また、本患者は嚥下機能検査を施行され、精神的要素による嚥下障害ではないかと判断されています。再発を防ぐためには原因検索も必要であり、退院後の事も考えた検査・治療が重要である事も学びました。

次に誤嚥性肺炎患者を担当した時はより根本原因に近づけるような治療を心がけようと思わされた症例でした。

これだからGP+1カンファレンスは面白い!

はじめまして、外科9年目の今井です。
毎週開催されるGP+1カンファレンスを時間をみつけて参加しています。


カンファレンスには複数科の医師が参加するので、あーだ、こーだと色々な方向から知識が飛び交うのがとても勉強になるし面白い。

今回の症例は、術後から繰り返す呼吸不全でした。答えから言うと、ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤の離脱と再会によりCO2ナルコーシスが悪化することでの呼吸不全でした。発表は研修医2年目の医師ですが、この診断にたどり着くとは感心しました。

不眠を訴える入院患者さんはとても多い。外科医でも不眠の患者さんにはベンゾジアゼピン系睡眠導入剤をよく使います。知識としては呼吸抑制が起こることはわかっていても実際にそれが起こるとなかなか疑いはしないと思います。

そのほかにも、4週間以上の投与後であれば離脱症状が起こる可能性があることや多量に内服している場合には一気に止めるのではなく漸減させていくなんて正直知りませんでした。

これだからGP+1カンファレンスは面白い!
次の症例も楽しみにしています。

イレウスの診断から入院後の治療方針まで

こんにちは!外科ローテーション中の研修医宮里です。
8月30日のGP+1は『診断のその先』をテーマに今井先生と一緒に担当させていただきました。

common diseaseとしてイレウスを、診断から入院後の治療方針まで議論し、学習しました。
普段救急外来で出会うことの多い疾患ですが、緊急的外科処置が必要か、待機的治療で経過観察できるのか、踏み込んだ領域まで考えることをテーマとしました。

普段、救急外来では外科の先生にコンサルトすることの多いイレウスですが、虚血や感染リスクを伴う危険性が高く、治療方針の決定のため年齢、全身状態、他覚的検査所見を総合的に評価し、緊急性を判断することの複雑さを今回プレゼンを準備しながら実感することができました。

最近経験した教訓的な症例

耳原総合病院、消化器外科の外山です。今年で15年目になります。

今回紹介するのは、最近経験した、重症心身障害者の繰り返すイレウスの症例です。

患者さんは、1年に数回はイレウスを発症して入院し、保存的治療により改善して退院という経過を繰り返していました。重症心身障害者で、意思疎通はかなり難しい状態でした。

当院ERに紹介された時にもイレウス状態であったので、繰り返す癒着性イレウスと診断し、イレウス管を留置し入院となりました。

この患者さんは今までのイレウスでは保存的治療が成功していたので、今回もイレウス管留置で改善すると考えていましたが、なかなか改善しませんでした。

腹部救急疾患では、採血結果やバイタルも重要なパラメーターになりますが、実際は本人の症状、腹部初見を重要視します。今回のような意思疎通が取れない患者さんでは症状の確認や腹部診察の評価は難しい事が多いです。

入院後1週間経った頃患者家族から、患者さんがいつもと違う、痛がっていると言われました。実際私にはいつもとの違いは分かりませんでしたが、念のため採血をとると白血球の急激な上昇を認め、慌ててCTを再検するとfree airを認めました。小腸穿孔と診断し緊急手術となり、実際イレウスを起こしていた癒着部の穿孔でした。術後は特に問題なく経過し、退院となりました。

今回の症例を通して、意思疎通ができない、もしくは困難な患者さんに対しては、血液検査などの客観的評価をよりオーバーに行う必要があると実感しました。また、付き添っている家族の『いつもと違う』の訴えは腹部初見なみに重要視しないといけないなと思いました。

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