GP+1カンファ 今回のテーマは「無題」・・・!?

救急総合診療科の大矢です。

1月18日のGP+1カンファレンスは当院ERで救世主として活躍してくれている加藤之紀先生によるレクチャーでした。

事前に告げられていたタイトルはまさかの「無題」。

 

 

どんな話をしてくれるのか期待が膨らみます。

 

 

最初に加藤先生が以前経験した患者さん2人の紹介からレクチャーはスタート。

1人目は70代男性の慢性硬膜下血腫患者さんが後日破傷風合併も判明したケース。

2人目は無治療の統合失調症の患者さんがドラッグストアで店員さんともめたあとに急に胸を苦しがって倒れて救急搬送となり、診察時には症状の訴えはなかったものの急性大動脈解離との診断に至ったケース。

 

この2ケースからの教訓こそが

今回のレクチャーのほんとのテーマ「バイアス」でした。

 

2例目はたしかにキーワードを拾えば大動脈解離は鑑別に挙がるでしょうが、

たくさんのバイアスに引きずられそうになりながらも踏みとどまって診断治療に結びつけることができたことはほんとに見事です。

これぞER医の神髄ですね。

後半はバイアスについてのレクチャーでした。一般的な内容はたくさん教科書や文献もあるので、加藤先生オリジナルの部分の要点をまとめます。

・診断戦略としてSystem1とSystem2がよく知られているが、System1優位の時にエラーは起きやすい。経験を積むとどうしてもSystem1優位となってしまうが、研修医の先生をSystem2として活用することでリスクヘッジができる。

・ERあるあるバイアス

「精神疾患バイアス」「紹介状ふれこみバイアス」「最近勉強したバイアス」「デキレジバイアス」「偉い先生が言ってたバイアス」「怖い上級医バイアス」「怖い看護師バイアス」「深夜バイアス」「忙しいバイアス」「CRP低いバイアス」「常連患者バイアス」「前大丈夫だったバイアス」「入院ベッド厳しいバイアス」

・加藤流バイアス対策

「なんでこの時間に」と思った時ほど受診の動機と背景を意識することを忘れない。

「大変ですね」と言うことで自己洗脳。

研修医はSystem2優位の武器。活かすために診察前の打ち合わせを大切に。

バイアスに引っ張られていないか逆側に立ってみる。

検査結果を待たずに方針を考えておく。

いざという時のために譲るところは譲ることが大切。

あいさつでコミュニケーションをはかることが重要。

 

いつも惚れ惚れするような診療と教育を見せてくれている加藤先生の抜群の安定感の秘訣を少し垣間見ることができ学びの多い時間となりました。

加藤先生、これからもよろしくお願いします。

教育回診は、心音(Ⅲ音)についてでした

今週の教育回診の報告です。

Ⅲ音はおよそ30歳までなら聴取されても病的ではありません。

その他で聞かれる場合は、心不全や容量負荷(MRなど)を考えます。聴取部位は心尖部付近で、低音のためベル型で聴取します。聴取する時はベル型を押し付けすぎないことが重要です。ベル型を押し付けるとⅢ音は消失するので、そこがⅡ音の分裂との見分けになります。最初は聴き分けるのが難しいそうですが、繰り返し聴くうちにⅢ音の判別ができてくるそうです。

普段からⅢ音、Ⅳ音の有無も含めて聴診するのが大事とのことです。

 

 

身体診察の教育回診;僧帽弁逆流症

初期研修医 1年目今中 翔平です
今回の藤本卓司先生の教育回診で学んだのは
僧帽弁逆流症でも後尖逸脱だと収縮期雑音が前胸壁で聴取すること。ASと雑音を間違えることも多いそうです。ASとの違いはRR間隔が伸びた後でも雑音が大きくならないことを学びました!
座学だけでは習得できない実践的な身体診察レクチャー。
来週もたのしみです!

GP+1カンファレンス;循環器内科よりECPRの報告!

明けましておめでとうございます。
2018年が始まりました。
研修医、南里先生がGP+1カンファレンスでECPRについて発表してくれました。
(初期研修医2年目南里医師+7年目小笹)

ECPRとは、
体外循環式心肺蘇生法 (Extracorporeal Cardio-Pulmonary Resuscitation)
体外循環式人工心肺装置(PCPS)を用いた心肺蘇生です。

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回診にサンタ現る

少し遅いですがクリスマス回診@救急総合診療科のご報告です。看護師さんお手製のクリスマスカードを患者さんにお渡しさせていただきました。何を隠そう、1番盛り上がっていたのは部長の藤本卓司先生だったのでした。

爪の異常から考える全身疾患~GP+1カンファレンス~

救急総合診療科部長の藤本です。本日の「GP+1 カンファレンス」は私が担当しました。「爪の異常から考える全身疾患」のテーマでさまざまな全身疾患で見られる爪の徴候を紹介しました。添付したレジメを参照ください。 レジメの末尾に示した米国家庭医学会雑誌の総説(Am Fam Physician 2004;69:1417)は大変分かりやすくまとまっています。ぜひ一読されることを推奨します。フリーでダウンロードできます。レクチャー後のクイズコーナーでは,白色爪(テリー爪),バチ指,ボー線,爪甲剥離症,アジゾン病の黒色爪,Osler-Weber-Rendu病の手指末梢血管拡張などを見てもらいました。
爪の異常は日常診療の中で比較的高頻度に出会います。注意深くアンテナを広げて診療すると1~2年でレジメにお示しした所見の大半に遭遇することができると思います。
来年もよろしくお願いします。どうぞ良い年をお迎えください。

濃厚な1日!鈴木富雄先生 身体診察ワークショップ

救急総合診療科の大矢です。

12月16日は2007年から毎年行っている鈴木富雄先生をお招きしてのワークショップでした。

午前はケースカンファレンス、午後は身体診察のワークショップを行っています。

今回のケースカンファレンスは1か月前から股関節を中心とする両下肢のだるさと痛みで来院し、

恥骨結合炎/骨髄炎の診断に至った60代女性の患者さんについてグループに分かれてディスカッションを行いました。

鈴木先生のさすがのファシリで盛り上がり

HistoryとPhysicalで診断に迫る面白さを実感することができました。

最後には実際に患者さんが登場して下さり生の声を聴かせていただきました。

午後の前半は鈴木先生のファシリで耳鏡眼底鏡のワークショップを行い、

最終的には全員が乳頭まで見ることができました!

後半は研修医の先生たちのリクエストに応じて

鈴木先生に深部腱反射と腹部診察の実技指導と

藤本卓司先生に循環器診察のレクチャーを行っていただきました。

鈴木先生のセッションは毎年参加していますがそのたびに新たな学びがありますし、

藤本先生のレクチャーは日々実践していることを改めて整理することができました。

最後はフィジカルを大切にしているお二人から研修医のみんなにメッセージをいただき、

本当に濃い1日となりました。

フィジカルを大切にする研修病院を目指してこれからも精進していきます!

おくすりって、なんでたかいの?

今回のGP+1カンファレンスは初期研修医2年目の“おくすりおじさん”(実名不詳?)が担当しました。テーマは、「おくすりって、なんでたかいの?」、、、おじさんのくせに平仮名タイトルです。
 
 内容としては、『新薬の開発段階について』、『新薬開発までにかかる費用』、『薬価の決まり方』、『製薬会社が新薬を売るためにするあの手この手』、『後発医薬品(ジェネリック)とは』など、処方薬とお金を巡るあれこれを、つまみ食い的に話しました。かといって、これを散弾銃的に話してもまとまらないので、あの高くて有名になった抗がん剤“オプジーボ®”を例に出しながら、話を進めました。
以下に、ざっくりとした内容をかいつまんで示します。
 

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思い出のグラム染色プレパラート

 

救急総合診療科部長の藤本です。今回は私にとって思い出のグラム染色プレパラートを2枚紹介します。“思い出”と言っても,つい半年前に染めたものです。グラム染色の写真とそれにまつわるエピソードに少しだけお付き合いください。
まず1枚目です(図1)。

図1
なんの変哲もない,といいますか,きれいなグラム陽性双球菌です。もちろん培養の結果,肺炎球菌が同定されました。これは私が約半年前まで勤めていた総合病院の最後の外来日に染めたものです。しかし,最終日の染色,,という意味での“思い出”ではありません。実はこれは私ではなく,お世話になったメディカルクラークさんが染めたものなのです!そのメディカルクラークさん(ここではAさんとします)はたいへん優秀で,忙しさをけっして顔に出さず,テンパッた表情は一度も見せたことがありませんでした。そして患者さんに優しい人でした。いまどきは多くの病院でそうなのかもしれませんが,検査依頼や予約日の入力はもちろん,紹介状の返事,経過報告,他院への紹介状,さまざまな証明書類の記載など,何から何まで行っていただいていました。それだけで感謝でいっぱいでしたが,その仕事内容だけでなくAさんがさらに素晴らしかったのは,私たち医師がオーダーする検査や治療内容にも心から興味を持ってくれたことでした。そのひとつがグラム染色です。最初は喀痰や尿など患者さんから検体をもらうことだけ手伝ってもらっていたのですが,ある日,私が外来のグラム染色室で検体を染めていたところ,スーッとドアが開いたと思うと「見せてもらっていいですか~?」の声とともにAさん登場!喀痰だったか尿だったか忘れましたが,複数で観察できる教育用顕微鏡(染色室にありました)を一緒に見ながら「これが白血球,ここの核が青くてこちらは赤いので脱色の具合はちょうど良くて,,,この長めで太いのが,,,」などの説明を興味津々で目を輝かせながら聞いてもらえたことはとても嬉しく,有難く感じました。人は誰でも,自分が大切にしているものを他の人が同じ気持ちで見てくれると嬉しいですね。その後,何度か染色に付き合ってもらい,Aさんが染色にトライすることもありました。
さて説明が長くなりましたが,Aさんが染めてくれたこの肺炎球菌のプレパラート,素晴らしい出来栄えです!弱拡大(100倍)の写真もお見せします(図2)。

図2(弱拡大)

上皮の混入がなく,白血球の核の脱色の程度も強すぎず弱すぎず,染まりが陽性から陰性へ移ってゆく“波打ち際”の作り方もばっちりです。
さて,プレパラートの2枚目です(図3)。

図3


同じ日の外来で染めたものです。検体は便です。今度はクラークさんではなく私が染めました。さすがに,,便ですから。病歴と身体診察からキャンピロバクター腸炎を疑う患者さんでしたが,便を染めてみると,予想どおり,白血球とともに無数のらせん菌が見えます。視野全体におびただしい数の「カモメ」が飛んでいます。念のための説明です。らせん菌の形がちょうどカモメが翼を広げて飛ぶ姿(gull-wing)のように見えるため,グラム染色でキャンピロバクターが見えると「カモメがいる!」とか「カモメが飛んでる!」 などとよく研修医に説明したりします。グラム染色の方法にもよりますが,キャンピロバクターは大腸菌などグラム陰性の腸内細菌と比較するとあまりにも存在感の乏しい細菌です。私が好きなハッカー変法(※)は他のグラム染色法と比較して,出来上がりの「絵」はすこぶる美しい(と私は思う)のですが,後染色で使うサフラニン液の赤色が少し薄いために,小さく細く毛屑のようなキャンピロバクターは少し慣れないと簡単に見落としてしまいます。(※グラム染色・ハッカー変法:クリスタル紫(10)→ルゴール(10)→エタノール(20~30)→サフラニン(10)。カッコ内は私が採用している秒数です。)因みに,ずいぶん以前からの知り合いで,外来診療に積極的にグラム染色を採り入れておられる佐野良仁先生(佐野内科リハビリテーションクリニック:高知県香美市)は,便中のキャンピロバクターを見落とさないために,ある時期から後染色をサフラニン液からフクシン液に変更されたそうです。フクシン液は赤色が強いので菌量が少ないときでも見落としにくくなります。佐野先生曰く,グラム染色による診断率は,陽性,陰性の判断を合わせて,なんと“42連勝中”(2017年6月時点)なのだそうです。
さて,この写真の「カモメ」を見た前勤務先の病院のすぐ近くには大阪でも有名な天神橋筋商店街がありました。路地を一本入ると美味しい焼肉,焼き鳥の店が軒を連ねていて,飲み会の場所選びには本当に困らないところでしたが,「これはヤバイよ~」と思わせるような生の鶏肉やレバーを出すような店も少なからずあって,そのためか他の地域では見ないほど沢山のキャンピロバクター腸炎の患者さんたちがやって来たように思います。海岸からは離れている病院でしたが,たくさんのカモメが飛んでいたのです!

GP+1カンファレンス 番外編 血液疾患

後期研修医 河村 智宏です。

血液内科志望といいながら血液内科のない耳原に来てESD、ERCPなどに日々明け暮れている毎日ではありますが…

11月30日 遂に来ました。

 

『GP+1カンファレンス 番外編 血液疾患』

 

もちろん耳原総合病院には血液内科がないので今回は院外講師をお招きしてのGP+1カンファレンスです。

今回来てくださったのは堺市立総合医療センターの田中孝正先生。

今回のGP+1カンファレンスは症例検討という形で、当院を受診した巨大肝脾腫、Hb 8g/dl、Plt 2万、IL2-R 14800の70代女性。各種ウイルスマーカーや骨髄検査など行いましたが診断がつかず、悪性リンパ腫の疑いで堺市立総合医療センターに転送となった症例で転送後の顛末を解説込みで分かりやすく教えていただきました。

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