思い出のグラム染色プレパラート

 

救急総合診療科部長の藤本です。今回は私にとって思い出のグラム染色プレパラートを2枚紹介します。“思い出”と言っても,つい半年前に染めたものです。グラム染色の写真とそれにまつわるエピソードに少しだけお付き合いください。
まず1枚目です(図1)。

図1
なんの変哲もない,といいますか,きれいなグラム陽性双球菌です。もちろん培養の結果,肺炎球菌が同定されました。これは私が約半年前まで勤めていた総合病院の最後の外来日に染めたものです。しかし,最終日の染色,,という意味での“思い出”ではありません。実はこれは私ではなく,お世話になったメディカルクラークさんが染めたものなのです!そのメディカルクラークさん(ここではAさんとします)はたいへん優秀で,忙しさをけっして顔に出さず,テンパッた表情は一度も見せたことがありませんでした。そして患者さんに優しい人でした。いまどきは多くの病院でそうなのかもしれませんが,検査依頼や予約日の入力はもちろん,紹介状の返事,経過報告,他院への紹介状,さまざまな証明書類の記載など,何から何まで行っていただいていました。それだけで感謝でいっぱいでしたが,その仕事内容だけでなくAさんがさらに素晴らしかったのは,私たち医師がオーダーする検査や治療内容にも心から興味を持ってくれたことでした。そのひとつがグラム染色です。最初は喀痰や尿など患者さんから検体をもらうことだけ手伝ってもらっていたのですが,ある日,私が外来のグラム染色室で検体を染めていたところ,スーッとドアが開いたと思うと「見せてもらっていいですか~?」の声とともにAさん登場!喀痰だったか尿だったか忘れましたが,複数で観察できる教育用顕微鏡(染色室にありました)を一緒に見ながら「これが白血球,ここの核が青くてこちらは赤いので脱色の具合はちょうど良くて,,,この長めで太いのが,,,」などの説明を興味津々で目を輝かせながら聞いてもらえたことはとても嬉しく,有難く感じました。人は誰でも,自分が大切にしているものを他の人が同じ気持ちで見てくれると嬉しいですね。その後,何度か染色に付き合ってもらい,Aさんが染色にトライすることもありました。
さて説明が長くなりましたが,Aさんが染めてくれたこの肺炎球菌のプレパラート,素晴らしい出来栄えです!弱拡大(100倍)の写真もお見せします(図2)。

図2(弱拡大)

上皮の混入がなく,白血球の核の脱色の程度も強すぎず弱すぎず,染まりが陽性から陰性へ移ってゆく“波打ち際”の作り方もばっちりです。
さて,プレパラートの2枚目です(図3)。

図3


同じ日の外来で染めたものです。検体は便です。今度はクラークさんではなく私が染めました。さすがに,,便ですから。病歴と身体診察からキャンピロバクター腸炎を疑う患者さんでしたが,便を染めてみると,予想どおり,白血球とともに無数のらせん菌が見えます。視野全体におびただしい数の「カモメ」が飛んでいます。念のための説明です。らせん菌の形がちょうどカモメが翼を広げて飛ぶ姿(gull-wing)のように見えるため,グラム染色でキャンピロバクターが見えると「カモメがいる!」とか「カモメが飛んでる!」 などとよく研修医に説明したりします。グラム染色の方法にもよりますが,キャンピロバクターは大腸菌などグラム陰性の腸内細菌と比較するとあまりにも存在感の乏しい細菌です。私が好きなハッカー変法(※)は他のグラム染色法と比較して,出来上がりの「絵」はすこぶる美しい(と私は思う)のですが,後染色で使うサフラニン液の赤色が少し薄いために,小さく細く毛屑のようなキャンピロバクターは少し慣れないと簡単に見落としてしまいます。(※グラム染色・ハッカー変法:クリスタル紫(10)→ルゴール(10)→エタノール(20~30)→サフラニン(10)。カッコ内は私が採用している秒数です。)因みに,ずいぶん以前からの知り合いで,外来診療に積極的にグラム染色を採り入れておられる佐野良仁先生(佐野内科リハビリテーションクリニック:高知県香美市)は,便中のキャンピロバクターを見落とさないために,ある時期から後染色をサフラニン液からフクシン液に変更されたそうです。フクシン液は赤色が強いので菌量が少ないときでも見落としにくくなります。佐野先生曰く,グラム染色による診断率は,陽性,陰性の判断を合わせて,なんと“42連勝中”(2017年6月時点)なのだそうです。
さて,この写真の「カモメ」を見た前勤務先の病院のすぐ近くには大阪でも有名な天神橋筋商店街がありました。路地を一本入ると美味しい焼肉,焼き鳥の店が軒を連ねていて,飲み会の場所選びには本当に困らないところでしたが,「これはヤバイよ~」と思わせるような生の鶏肉やレバーを出すような店も少なからずあって,そのためか他の地域では見ないほど沢山のキャンピロバクター腸炎の患者さんたちがやって来たように思います。海岸からは離れている病院でしたが,たくさんのカモメが飛んでいたのです!

GP+1カンファレンス 番外編 血液疾患

後期研修医 河村 智宏です。

血液内科志望といいながら血液内科のない耳原に来てESD、ERCPなどに日々明け暮れている毎日ではありますが…

11月30日 遂に来ました。

 

『GP+1カンファレンス 番外編 血液疾患』

 

もちろん耳原総合病院には血液内科がないので今回は院外講師をお招きしてのGP+1カンファレンスです。

今回来てくださったのは堺市立総合医療センターの田中孝正先生。

今回のGP+1カンファレンスは症例検討という形で、当院を受診した巨大肝脾腫、Hb 8g/dl、Plt 2万、IL2-R 14800の70代女性。各種ウイルスマーカーや骨髄検査など行いましたが診断がつかず、悪性リンパ腫の疑いで堺市立総合医療センターに転送となった症例で転送後の顛末を解説込みで分かりやすく教えていただきました。

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GP+1カンファレンス 消化器外科より

外科診療科長の山口です。
今回のGP+1カンファレンス担当は消化器外科
ローテーター 今中先生(以下レジ今)と外山部長(以下指外)です。

まずは症例提示
80代 女性
発熱 腹痛を伴う女性
現病歴) 1,2週間前から食欲不振あり。4,5日前より下痢、微熱、右下腹部痛出現し
近所の病院紹介。CT施行したところ外科的対応必要とのことで当院受診となりました。

身体所見)
来院時バイタル132/96mmHg 脈拍90回 呼吸数19回/分 SpO2 97% BT36.6℃
腹部 平坦 軟で腸蠕動正常、下腹部 圧痛、tapping pain(+),  反跳痛(ー)
(VBG)pH7.412 pCO2 34.7mmHg, pO2 44.0mmHg, HCO3 22.1mEq/L BE-1.3
(血液検査)WBC16600 CRP 16.49mg/dl Plt 40.9万

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GP+1カンファレンス: 集中治療科より、『腰痛だけど…』

こんにちは。小児科後期研修医の瀬邉です。
 
11月9日のGP+1カンファレンスは、集中治療科による急性大動脈解離の症例検討でした。
 
田端先生が急性発症の腰痛で救急搬送された患者さんの症例を提示され、心臓血管外科医である北山先生が、急性大動脈解離についてわかりやすく解説してくださいました。

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GP+1カンファレンス ようこそ細菌検査室へ!

こんにちは!初期研修医1年目の坂部です。

 

今日は救急総合診療科6年目の河村裕美先生が一歩上を目指す培養検査の生かし方について、レクチャーしてくださいました!

 

皆さんも培養検査は出したものの、どのように解釈して良いか迷われることあると思います!

その時、培養の手順を知っていれば、、、。

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GP+1カンファ 代謝膠原病内科より、、、

救急総合診療科 杉本です。

今日のGP +1カンファレンスは、代謝膠原病内科の松廣先生・川口先生からの出題でした。

 

症例は80歳代女性

昨日までスイミングプールに通っていたような元気なおばあちゃんに突然出現した、四肢の紫斑。

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教育回診:AR(大動脈閉鎖不全症)

いま、外科をローテート中の1年目研修医今中です!

今日の藤本卓司先生の教育回診はAR(大動脈閉鎖不全症)でした!

視診、聴診、触診・・・

1つの疾患でも色々な診察方法があることを学びました!

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GP+1カンファレンス:循環器内科より「ん?カテーテル」

こんにちは。初期研修医の後藤です。
今回のGP+1カンファレンスは循環器内科の具先生からの症例提示とレクチャーでした。
症例は東南アジアに海外赴任中の60代男性の帰国後の突然の両下肢痛。
発症から短時間で歩行困難となり、両下肢に網状皮斑が出現したとのことでした。
高血圧、糖尿病、狭心症の既往があり血管リスクは高そうな患者さんです。
鑑別診断を皆で考えましたが、あまり馴染みのない主訴に研修医からはなかなか意見が上がらず・・・。
上級医の先生方からはDVTや下肢動脈閉塞症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎ヘルニア、コレステロール塞栓症、血管炎などが挙がりました。

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GP+1カンファレンス:子宮頸癌の腸腰筋転移

こんにちは!初期研修医一年目の小川です。

先週のGP+1カンファレンスは初期研修医2年目の植原先生が経験した、子宮頸癌StageⅣb期の腸腰筋転移についての症例でした。

今回の教訓は、腸腰筋徴候のある人の鑑別として、腸腰筋膿瘍だけでなく、悪性腫瘍の転移の可能性も考慮することでした。

 

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グラム染色:永久標本で保存しよう

こんにちは!耳原総合病院 初期研修2年目の南里です。

 

10月5日の教育回診は、病理室で行われました。

肺炎の患者さんの喀痰、腎盂腎炎の患者さんの尿など、日常診療のでGram染色したスライドの中で、珍しいものや教育的なものを、永久標本にして保存しようというものです!

 

最初に藤本先生の長年のコレクションを見せていただきました!緑膿菌からヨーグルト菌(!?)まで、先生の見積もりでは、トータルで2億円の価値があるとのこと!

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