ABOUT

みみはら2030年の樹とは

10年後・20年後を見すえた
同仁会・みみはらグループの
重点課題

“みみはら2030年の樹”の
実践・実現に向けて

私たち同仁会は、
これから10年~20年の地域社会の姿を見すえた
事業の重点として
“みみはら2030年の樹”と名付けた
中期の事業構想にもとづき、
様々な取り組みを進めています。

はじめに

「経営再建」から次に目指す「新たな峰」 “みみはら2030年の樹”へ

私たち同仁会は2030年に創立80周年を迎えます。創立以来一貫して、無差別・平等を掲げ、地域の「最後の拠り所」「命の砦」として活動してきました。これまでの歴史には、喜びや成功とともに幾多の困難もありました。経営危機を迎え、事業の存続自体が困難になりかねない事態(1997~98年の「前倒産」状態)に陥ったこともあります。しかしそうした困難も、無差別・平等の理念を支持するさまざまな人々と団体組織からの支え、そして理念に共感し、その実践と事業の存続に向けた役職員の奮闘で乗り越え、今日を迎えています。

超高齢社会を迎え、私たちをとりまく環境は変化しています。2021年に、これからの10年、20年の地域社会の姿を見すえた同仁会の課題や事業の柱について議論を開始し、私たちが目指す「新たな峰」として事業とまちづくり活動の姿(ビジョン)を打ち出しました。私たちはこれを“みみはら2030年の樹”と呼んでいます。無差別・平等の急性期医療を堅持しつつ、これから迎える超高齢社会で地域から求められる病院機能の整備と、増加を続ける「在宅」需要に医療と介護の両面で応えていくための施設整備を進めていきます。

FUTURE

これからの地域社会の姿

私たちが向き合う地域社会のこれから

超高齢化社会

60歳以上が人口の
最多層に

堺市の人口。2030年には60歳前後と80歳台前半が人口の最多そうになり、2040年には70歳前後と女性では90歳最多層になる「超高齢化」が待ち構えている。

入院需要が変化

高齢者に特有の疾患が
増加

循環器疾患(心不全)、呼吸器疾患(肺炎)、骨折が増加の著しい疾患。国民の半分がり患する悪性腫瘍も伸びは緩やかなものの増加する。

介護需要が増加

今の1.3倍〜1.4倍に
増加

ピークの2030年〜40年にかけて今の1.3倍から1.4倍と見込まれる。

単身・高齢女性が増加

高齢女性の単身者が
増加すると予想

男性よりも女性が長生き。現在でも死亡人口の最頻値の年齢に男女で5歳の開き(男88歳・女性93歳)。超高齢社会が進むことで、高齢女性の単身者が増加すると予想されている。

多死社会

人生最期の時期を
迎えている方が多い社会

高齢の増加とは亡くなる方が増加する多死社会。同時に「人生の最期の時期」を迎え過ごす方が多くいる社会。

定年金、経済的困窮者の増加

医療・介護費用に
耐えられるか懸念

経済的に困窮する方が増えると予想されている。女性の年金額(平均)は、厚生年金で月額10万円、国民年金で5万円。医療・介護費用に耐えられるか懸念される。

地域の方々の生活と健康を支えながら、誰もが「尊厳ある人生」を最期まで送れるようにしていくことが、これからの時代に私たち同仁会・みみはらグループに求められる重要な役割です。改めてこれからの地域社会の姿を確認し、耳原総合病院の急性期機能を発揮するために、また、地域の医療・介護ニーズに応えていくために、同仁会・みみはらグループとして急性期医療の「後」の事業の整備が求められます。無差別・平等の立場で「治す医療」と「支える医療・介護」の両面で役割を発揮していきます。

私たち同仁会
みみはらグループは何を
重点としていくか

みみはら2030年の樹

「治す医療」機能強化

耳原総合病院の急性期機能の整備

高齢化のなかで引き続き増加する救急・重症対応を強化するとともに、がんへの対応・診療機能を強化します。その一環として、より安全で体への負担の少ない手術へ内視鏡手術支援ロボットを導入(2024年度稼働予定)。また、早期発見のためドック・健診室、内視鏡室の拡充を進めます。

少子化のなかで出産に対応可能な医療機関が減少しています。その一方で、予期しない妊娠や貧困、DV、若年妊娠、身近な人から支援が得られにくいなどさまざまな困難を抱える妊産婦が増加しています。また、ハイリスクな出産も増加しています。地域の数少ない出産に対応可能な病院として周産期機能の維持・強化は「安心して生み育てられるまちづくり」へ貢献します。

「支える医療と介護」の
機能強化

クリニック、地域包括ケア病床、
介護事業

診療所では「かかりつけ医」機能の整備が進められていきます。その多くは、これまでも私たちが地域で担ってきた診療所の機能と重なります。これまでの経験・蓄積も生かし、「かかりつけ医」機能の強化を進めます。

在宅医療ニーズの増加により、私たち同仁会で管理する在宅患者も近年、増加の一途をたどっています。在宅医療を提供している患者さんは医療分野で800人を超え、歯科分野も合わせると1,000件を超えています。この在宅医療ニーズに応えて「在宅」を支えていくためには、患者さんの急変・増悪時のバックアップにあたる入院機能が不可欠です。その役割を期待されているのが「地域包括ケア病床」です。この「在宅を支える入院機能」の整備を進めます。

「在宅」には日常を支える訪問看護、訪問介護、通所事業など介護系サービスも不可欠です。これらのサービスを個別バラバラにではなく、医療と介護が一体となって提供・対応していくことが求められます。「顔の見える連携関係」の強化へ、各事業を同一施設内・至近に配置し、日常的に患者・利用者さんの情報も共有しながら医療・介護サービスの提供ができる態勢を整備します。

「病気にならない
重症化させない予防」
の機能強化

早期発見で重症化させない

病気にならないよう予防すること、早期発見で重症化させないことも大切です。予防には、健康な時期から始める「1次予防」、健診・検診で病気を早期に発見する「2次予防」、リハビリ(機能の回復・維持)を行う「3次予防」があります。1次から3次まで、私たちのあらゆる取り組みのパートナーの 健康友の会みみはらの皆さんとともに地域で予防の活動に取り組みます。

これからの地域社会の姿を見すえた「治す医療」(耳原総合病院の急性期機能を軸)と「支える医療・介護」(クリニック・地域包括ケア病床・介護事業を軸)、「予防機能」(友の会とともに)の整備を通じて、同仁会だけでなく、みみはらグループの連携・統合力を生かして“安心して暮らし続けられるまちづくり”へ貢献していきます。

地域社会から求められる存在で
あり続けるために

私たち同仁会は、
これからの地域社会の姿を見すえて
“みみはら2030年の樹”の
実践・実現へ足を踏み出しています。

“みみはら2030年の樹”の実践・実現は、この地域で引き続き無差別・平等の医療・介護を提供し、地域の方々の医療・介護ニーズに応えていくために、不可欠の取り組みです。その成功に向けて同仁会は日々、提供する医療・介護サービスの質の向上、管理運営と経営の改善、そのために「全職員参加の経営」に取り組みます。それと同時に、いのちの平等を脅かす施策・政策には反対し、医療・介護・社会保障制度の充実を求め活動します。

新たな「峰」である“みみはら2030年の樹”に向かって役職員の一致協力と健康友の会みみはらの皆さん、そして地域の方々と共同し、より“実り多い樹”にしていきます。